写真とおいしいご飯と楽しいイベントと。魅力いっぱいの「写真集食堂めぐたま」
恵比寿駅から駒沢通り沿いを青山方面へ10分歩くと現れるのが「写真集食堂めぐたま」。ここは写真評論家である飯沢耕太郎さん、ご飯担当のおかどめぐみこさん、イベント担当のときたまさんの3人が手掛けるとってもユニークな食堂なのだ。
「めぐたま」について詳しく紹介しよう。まず、店内の壁一面に並べられた約5000冊の写真集から。こちらは、すべて飯沢耕太郎さん所有のもの。仕事柄、どんどん自宅にたまっていく写真集を「自分だけではなくほかの人にも楽しんでもらいたい」と思った飯沢さん。自宅にある写真集のうち3分の2を店内に移動し、お店に足を運んでくれた人が自由に閲覧できるようにしている。その量は、まさに圧巻のひと言である。
店内の写真集の配置にはルールがある。入り口を入って左側の棚には国内の写真集が年代順、作者別に並ぶ。店の奥に入って右手に見える棚は海外の写真集と、大判の国内外の写真集。棚は常にアップデートされており、古いものから新しいものまで実にさまざま。
「言葉のない写真集は、子どもから大人まで、そして外国の人も楽しめる懐の深い書であり、ページを開けば一瞬でその世界にワープさせる魅力的なツール」なのだそう。気になるカメラマンの写真集を探すもよし、偶然の出会いを楽しむもよし、飯沢さんがお店にいればおすすめの写真集を聞いてみるのもよし。楽しみ方はいろいろだ。
次にお料理。「小さい時から人にご飯を食べさせるのが好きだった」というおかどめぐみこさんは、以前、季節感を大切にしたご飯屋を経営。当時から、明治時代の食の啓蒙家・村井弦斎(むらい・げんさい)の恋愛小説「食道楽」に出てくる料理を復元するなど、おいしいものなら何でもござれの精神で古今東西を問わず、気になる食べ物はとことん調べて再現してきた。現在「めぐたま」では村井弦斎のレシピから「まぐろの泣きご飯」(時価)や「糠(ぬか)ケーキ」(700円、写真)などを提供。「江戸名物 たまごふわふわ」(600円、写真)は井原西鶴と近藤勇の大好物だったそうで、古くは徳川第三代将軍・家光が天皇をもてなしたときに献上した高級料理なのだとか。おそらく、ここでしか口にすることのできないメニューの数々。「めぐたま」に来たらぜひ味わいたい。
「季節の一汁五菜特製ランチ」(平日1500円、土日祭日2000円)。タケノコの煮物やこごみのごまあえやワラビの煮物など、たっぷりの山菜料理が嬉しい“おふくろの味”。(※内容は季節によって変わります)。
最後に紹介するのは、ときたまさんが担当するイベント。飯沢さんが講師を務める「写真集を読む」や「ポートフォリオレビュー(写真を講評する会)」を月1のペースで行うほか、写真家を囲んで「写真集を語りつくす」といった写真関係の催しを開催。東大大学院の医学系研究科の特任助教授である宮川隆さんのサイエンス講座や、雅楽演奏と舞いを体験できるイベントなど、さまざまな催しを幅広く展開。「イベントが終わったらみんなでわいわいがやがやご飯を食べることで、講師と参加者、参加者同士の交流を楽しみたい」というときたまさん。イベントにはどれも、おかどめぐみこさんが手掛けるおいしいご飯が付いている。最新のイベント情報はFacebookやBlogで確認してみよう。
素敵な写真集と、おいしいご飯と、楽しいイベントが詰まった「写真集食堂 めぐたま」。きっとあなたをワクワクさせる刺激的な時間が待っているはずだ。
写真集食堂 めぐたま
〇営業:平日 11:30〜23:00(L.O22:00)
土日祭日 12:00〜22:00(L.O21:00)
定休日 月曜日(月曜日が祭日の場合、翌火曜日が休み)
〇住所:渋谷区東3-2-7 1F
〇電話: 03-6805-1838
〇公式:http://megutama.com/
田賀井リエ(代官山ひまわり)
代官山を拠点に活動するNPO法人「代官山ひまわり」。所属するママさんライターが渋谷情報をお届けします。