いま、渋谷はジュラ紀だ! 「巨大恐竜=重機」が一堂に集結
100年に一度と言われる、大規模な開発が進む渋谷駅周辺。「渋谷駅街区(渋谷駅全体)」「渋谷駅南街区(渋谷3丁目・渋谷川沿い)」「渋谷駅道玄坂街区(東急プラザ跡)」「渋谷駅桜丘口地区(桜丘町)」と駅周辺だけでも4エリア。そのほか、渋谷宮下町計画(元・宮下アパ−ト)、神宮前5丁目計画(こどもの城・青山病院跡)、宇田川町 15 地区開発計画(渋谷パルコ建て替え)、渋谷区庁舎建替えなど、「渋谷の街を歩けば工事に当たる」というほど、街中が大改造の真っ只中にある。こうした背景には、前回の1964年の東京オリンピックで一斉に建てられた施設が半世紀を過ぎ、老朽化が進んできたこと。さらに2020年の東京オリンピックの誘致が決定したことに伴い、外国人旅行者などの大幅な増加を見込み、老朽化が進んだ施設の建て替えやインフラ整備を一気に進める動きが加速しているのだ。
渋谷川沿いの開発が進む「渋谷駅南街区プロジェクト」
西口駅前にも、たくさんの重機が稼働している。
東急プラザ跡地の開発が進む「渋谷駅道玄坂街区プロジェクト」
閉塞感が漂う仮囲いや工事の騒音など、工事中の渋谷の街に辟易している人もきっと多いだろう。とはいえ、視界を遮る大きな建物が次々に取り壊され、渋谷駅東口から109やマークシティ方面の見通しが開けるなど、束の間ではあるが、今まで見られなかった風景を楽しむことも出来る。ヒカリエから富士山が眺められるのも、今だけのチャンスだ。
ヒカリエ9階からの眺め。向かいに高さ230メートルの東棟が完成したら、ヒカリエから富士山が見られることもなくなるだろう。
また工事萌え、重機萌えなど、これだけのクレーン車や特殊車両が一堂に会する光景に目を輝かせる人もいるだろう。その数は東京中の重機が渋谷にすべて集結しているのではないか、と思えるほど。特にガンダムやパトレーバーなど、幼少期にロボットアニメの世界に憧れた男性には垂涎ものと言えそうだ。
もっと妄想を膨らませるならば、天高く伸びるクレーン車が集まる光景を、約1億5000万年前の恐竜たちの群れと見立てるのも楽しい。体長が約25mのブラキオサウルスやブロントサウルス、約40mのアルゼンチノサウルスなど、かつて地球上で隆盛を誇っていたジュラ紀の巨大恐竜たちが勇壮に動き回る姿とクレーン車を重ねながら、想像の翼を広げてみる。まさに今、渋谷の街は、あちらこちらで巨大恐竜が見られるジュラシックパーク状態なのだ。
あと4年もすれば、南街区に約180m、道玄坂地区に約103m、駅街区に約230mの超高層ビルが次々に完成していく。いわば、こうしたクレーン車が集結する姿が見られるのは、ごく僅かな期間と言えるだろう。様々な想像や妄想を膨らませながら、工事期間ならではの渋谷を楽しんでみてほしい。
編集部・フジイタカシ
渋谷の記録係。渋谷のカルチャー情報のほか、旬のニュースや話題、日々感じる事を書き綴っていきます。