★『山口小夜子 氷の花火』★アップリンクで上映中!!!(〜2/12fri)
今更初鑑賞。。。女優の木内みどりさんも小夜子さんの旧友で、以前から見に行こうと言っていたのです。
そのあと、代々木カリーにて、朋友ヴィーナス君と木内みどりさん、水野誠一さん、娘さんと、尾道ビビレモン鍋セットでレモン鍋新年会。。。
二月最初の寒い雨の夜は深々と更けていきました。。。。
「あの映画は ちょっと、、、」と周囲の友人クリエーターたちは声をそろえて言っておりましたので、覚悟して鑑賞(笑)。
しかし私は決して悪くはない映画だと思いました。
映画作品は映画監督やプロデューサーのもので、主題や題材のものではありません。まして描かれている人物や事物のプロモーション作品でもありません。
その映像表現といった方法にこそ、監督の描きたい本質が宿るものです。ですからこの映画の「方法論」や「在り方」こそが、この監督の小夜子さんに対する見方ともなります。
私は監督の正直な偽らない自分自身の姿勢をそこに見ましたので、悪くはないし、むしろ良いと思いました。。。ドキュメンタリー映画とは自分自身の姿が映り込んでいなくてはならないからです。
あとは完全に「趣味」の問題となります。
その作品の監督やプロデューサーと、鑑賞者との価値観や美意識、哲学が合うか合わないか、、、ただそれだけの問題となります。
そこの部分は作品を語る上での論点ではありません。
そこにこだわることは「感情移入」や「泣けた」といった態度とさほど変わりません。
実際にモロッコまで行きセルジュ・ルタンスの「美」についての話を聞き出す。これだけでもこの映画は凄すぎますし、そのフォロアーとも言うべく下村さんや敬太さんたちの小夜子さんによって確実に引き継がれていく美意識は感動しますし感慨深いです。
小夜子さんは生前、「自分は多くの諸先輩に様々なことを教えてもらってきた。。
自分自身はそれを後世のクリエーターに受け継ぐことが使命である」ともよく言っておりました。
小夜子さんのドキュメンタリー映画を作るということで、通常は入手困難な多くの貴重な映像資料や、取材困難な方々のインタビューが集められました。それらが纏まって見ることができることもこの映画の存在価値は大いにあります。
そして、築地本願寺でのお別れ会、東コレ(2009JFW)による小夜子映画、山川さんや生西さんや中西さんによるsdxでのエクスペリメンタルイベン ト、そして昨年のMOTでの展示や関連ライヴ、、、それらに納まらず零れ落ちていた箇所をうまく「山口小夜子 氷の花火」では拾い上げていたのかもしれま せん。
ただ今渋谷UPLINKにて上映中!!!
DONT MISS IT!!!
http://www.uplink.co.jp/movie/2016/42385
小夜しぐれ なくは子のない 鹿にがな (おらが春)
小夜子さんのお名前は小林一茶の句からご両親が選んで付けたそうです。初めて知りました。
冬の季語である「時雨しぐれ」。春を待ち望む今の季節にあまりにも合致し過ぎてはおりませんか。。。
ありがとう小夜子さん。
いまはただただ感謝です。
ヴィヴィアン佐藤(非建築家)
非建築家、アーティスト、ドラァククイーン、イラストレーター、文筆家、パーティイスト、、、と様々な顔を持つ。独自の哲学と美意識で東京を乗りこなす。その分裂的・断片的言動は東京では整合性を獲得している。。。なんちゃって。