渋谷から富士山を望む
ここのところ寒波の影響でとても寒い日が続いていましたが、今日は打って変わっての小春日和。コートやマスラーをして、渋谷の街を歩いていると汗ばむほど。
下の写真は、渋谷ヒカリエ11階から見た「渋谷の街」の風景です。澄んだ青空がとても気持ちがいいですね。注目していただきたいのは、写真中央のあたりです。
ちょっと写真をズームしてみましょう。スマホ撮影のため、画質が粗くて申し訳ないですが、東急百貨店東横店の看板の後方に、白く雪を被った富士山がくっきり。ここ渋谷から富士山まで直線距離で約100キロメートル(本当は109kmと言いたいところですが…)ありますが、空気の澄んでいる冬場は本当によく見えます。
そういえば、渋谷ヒカリエの隣にある「宮益坂」は、かつて「富士見坂」と呼ばれていたそうです。歴史を紐解けば、宮益坂は江戸の赤坂御門を起点とし、足柄峠へと至る「大山街道」の一部。当時、大山街道は山岳信仰の対象となった「大山(神奈川県伊勢原市や秦野市などに所在)」への参拝路として賑わい、この宮益坂にも多くの参拝者が行き交っていたと言います。おそらく現在の「宮益坂上」あたりには、多くの茶屋で賑わい、旅行く人びとが富士山を眺めながら一服していたことでしょう。
宮益坂の途中には「御嶽神社」があります。
その境内には、松尾芭蕉が宮益坂から眺めた景観に感嘆し、詠んだと言われる句碑があります。「眼にかかる 時や殊更 さ月不二」(文化八年)。目にかかる時やことさら五月富士−おそらく宮益坂を上ったあたりで、雨の合間に五月晴れの中で見えた富士山の美しさを詠んだものなのでしょうか。 芭蕉と同じ風景を見てみると思うと、なんだかうれしいです。
ちなみに本日(12/19)より、渋谷マークシティと富士山を結ぶ高速乗合バスの運行が始まりました。世界文化遺産に登録され、ますます人気が高まっている「富士山」ですが、渋谷駅から約2時間半と意外に近く、料金も片道1800円だそうです。正月に富士山を眺めて縁起を担ぎ、帰りに河口湖で温泉に入って帰ってくるというのも最高ですね(笑)
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https://www.highwaybus.com/rs-web01-prd-rel/gp/reservation/rsvPlanList?lineId=200
編集部・フジイタカシ
渋谷の記録係。渋谷のカルチャー情報のほか、旬のニュースや話題、日々感じる事を書き綴っていきます。