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最初で最後の1枚、
旧渋谷駅の頭上を走るクルマ

渋谷ヒカリエ9階、11階に上ると、渋谷駅東口の再開発の様子を俯瞰して見ることが出来る。今年3月15日に営業終了した「かまぼこ屋根の旧渋谷駅地上駅舎」も、3月31日に78年間の歴史に幕を閉じた「東急東横店東館」も解体工事が進み、かつての渋谷のシンボルは静かに姿を消そうとしている。
渋谷ヒカリエから見下ろした「渋谷の街」(写真:渋谷フォトミュージアム)

旧渋谷駅を象徴する「かまぼこ屋根」が出来たのは、今から約50年前の1964年5月のことだ。東京オリンピックを10月に控え、乗降客数の増加が見込まれることから、ホームの拡張や駅舎のリニューアル工事などが行われた。当時、渋谷はオリンピックを控え、首都高速道路の建設や国道246号の整備、渋谷川や宇田川の暗渠化するなど、街全体のインフラ整備が急ピッチで進んでいた時期だった。
1964年2月13日、東京五輪前に工事が進む首都高と旧渋谷駅
(写真:渋谷フォトミュージアム)

こうした急速な大開発は、意外な珍百景を生み出している。たとえば、旧渋谷駅のかまぼこ屋根の上を見ていただきたい。屋根に含まれる形で「首都高速」が走り、さらに駅の下には「国道246号」が抜けているという、まるでミルフィーユのような複雑な構造となっている。もちろん、かまぼこ屋根があったときには、その上に高速道路が走っていることなど、ほとんどの人が意識をしていなかったことだろう。ところが徐々に解体工事が進むに連れ、突如として首都高の存在感が増すのだ。そして、今更ながら摩訶不思議な構造であったことに気付かされる。
解体工事が進む旧渋谷駅(写真:渋谷フォトミュージアム)

上の写真は、解体工事が進む旧渋谷駅から東急東横店東館側を撮影したもの。 旧渋谷駅と、高速道路上にクルマが走っているシーンを一緒に収めている写真は、 おそらくこれが最初で最後ではないだろうか。驚くのは、高速道路の位置が意外に低かったこと。屋根がなくなって、改めてその高さを実感させられる。来年2月くらいまでには、旧渋谷駅高架橋の撤去作業はすべて完了するという。

旧渋谷駅の解体工事の写真は、渋谷文化プロジェクトの姉妹サイト「渋谷フォトミュージアム」に掲載中。ご興味のある方は、ぜひチェックを!


*かまぼこ屋根 旧渋谷駅の解体
http://shibuyaphotomuseum.jp/special/?id=5
*旧渋谷駅、解体工事始まる
http://shibuyaphotomuseum.jp/special/?id=4

編集部・フジイタカシ

渋谷の記録係。渋谷のカルチャー情報のほか、旬のニュースや話題、日々感じる事を書き綴っていきます。

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