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「渋谷の街」の発展の節目に欠かせない
「東京オリンピック」という存在

 
昨日の早朝、2020年の東京五輪の招致が決定。その興奮がまだ冷めやらぬ中、週明けを迎えています。
写真:JR渋谷駅と渋谷ヒカリエを結ぶ連絡橋には、東京オリンピック誘致の旗が並ぶ。

奇跡的な戦後復興や、飛躍的な経済発展を成し遂げた日本の姿を世界にアピールした1964(昭39)年の東京オリンピック。東京の街のインストラクチャーの整備が急ピッチで進展し、特に「渋谷の街」の光景はオリンピック前後で大きく変貌を遂げました。1961年(昭和36)年に駐留米軍 の宿舎「ワシントンハイツ」の返還が決まり、その後、国立代々木競技場、オリンピック放送センター(現、NHK放送センター)など主要施設の建設ラッシュ。さらに国道246号線の大幅な拡張工事、渋谷川の暗渠(あんきょ)化、トイレの水洗化など、今日の渋谷の街を形成する社会基盤の大半がオリンピックによって整えられたといっても過言ではありません。またオリンピックの開催を控え、乗降客数の増加に対応するために東急東横線の旧地上駅舎を4面4線にリニューアルし、枕木方向に「かまぼこ型の屋根」が取り付けられたのも、このタイミングでした。
写真左:1964年10月開催の東京オリンピックに向け、拡張工事が進む東横線渋谷駅(1964年2月13日撮影/渋谷フォトミュージアムより)
写真右:東横線の地下鉄化で取り壊しが進む旧地上駅舎(2013年9月9日撮影)

半世紀の時間を経て、完成に近づく東横線渋谷駅(右)と、取り壊し進む旧渋谷駅(左)の写真が、ほぼ同じ状態で並んでいます。なんとも不思議な気分ですね。

写真:メガネ型の壁面も取り除かれ、骨組みが露わになった旧渋谷駅。

今年3月15日の東横線の地下鉄化とともに地上駅舎の営業が終了し、現在、旧地上駅舎の取り壊し工事が進んでいますが、何か運命のようなものを感じずにはいられません。前回の東京オリンピック開催に向けてリニューアルされた同駅舎が、半世紀の時を経て、次回の2020年の東京オリンピック招致決定の瞬間を見届けたのち、今まさに静かに消えてゆこうしています。
写真:かまぼこ屋根が徐々に剥され、屋根下から空がのぞく。

今後、渋谷駅周辺では再開発が進んでいきます。東京オリンピックが開催される2020年には、渋谷駅のシンボルとなる地上約230メートルの東棟のオープンが計画されており、渋谷の街の発展の節目節目に「オリンピック」の存在抜きには考えられないほど。

さて7年後、渋谷の街は一体どんな変貌を遂げるのか、楽しみが尽きません。

編集部・フジイタカシ

渋谷の記録係。渋谷のカルチャー情報のほか、旬のニュースや話題、日々感じる事を書き綴っていきます。

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