「ばらばらてん」に行ってきました
渋谷区千駄ヶ谷にある出版社リトルモアの直営ギャラリー、リトルモア地下で今月20日まで開催されていた、「ばらばらてん」に行ってきました。“笑って泣けるインストバンド”として、ここ数年、個人的にイチオシなのが、SAKEROCK 。そもそも出会いは、友人のやっているレーベル、カクバリズムから、彼らのレコードがリリースされてライブを見に行ったのがきっかけ。フジロックやサマソニ、ライジングサンなど、夏フェスを総なめにしたゴキゲンなバンドでこれまた友人のYOUR SONG IS GOODをはじめ、二階堂和美、キセルといった、質のよいバンドやミュージシャンを多数抱える事務所なのに、社長は実は私と1歳しか違わない、やり手だったりもします。話がちょっとそれてしまいましたが、とにかくSAKEROCKはおすすめ。タイ人イラストレーター、タム君とコラボした作品が、あの糸井重里さんが運営するサイト、ほぼ日で大々的に取り上げられたり、犬童一心監督、嵐主演の映画「黄色い涙」のサウンドトラックも手がけるなど、幅広い活動で注目を集めています。
中でも私の注目は、ギター担当の星野源君。彼は阿部サダヲさんや宮藤官九郎さんでおなじみの劇団、大人計画に所属し、映画やドラマ、CMにも多数出演するなど、役者としても大活躍中なのですが、何よりも、ソロのギター弾き語りがとても良いんです。基本的に“うたをうたわない”インストバンドであるSAKEROCKですが、星野君は、ソロの弾き語りライブでは、自ら詩をつけ、うたをうたいます。その詩の世界観とやさしい歌声のコンビネーションに、聞いているだけで、喜怒哀楽、すべての感情をぐいぐいと刺激されてしまいます。
と、前置きがすっかり長くなりましたが、この「ばらばらてん」は、そんな星野君が綴った詩と、写真家の平野太呂さん(この方もまたイケメン!)がとりためた写真、そして弾き語りCDが付いた唯一無二のCDブック「ばらばら」(リトルモア刊)の発売を記念して行われた展示会なのです。星野君の歌声、太呂さんの写真、そして壁に書かれたかわいいイラスト(星野君直筆!)が集約された空間は、とても居心地がよく、でもちょっと切ない気持ちにさせられました。いうなれば、放課後の小学校みたいな場所。授業も終わり、なんのストレスもなく友人と思いっきり遊べる、ただただ楽しい、居心地の良い時間。でも日が暮れるに連れ、「もう少ししたら塾に行かなきゃいけないんだなあ」、というなんともいえない複雑な気持ちが混在しているような…。大人になってからはあまり体験したことのない感覚かもしれません。
しかし、残念ながら、この展示会はもう終了。ということで、行き逃した方はぜひとも、CDブックの購入をおすすめします。最近疲れがちかもと思ったら、たまには1人でゆっくり、部屋でCDを聞きながら写真集を眺めたら、やさしくて素直な気持ちにリセットできるかも。そして気に入ったら、是非ライブにも足を運んでみてくださいね。SAKEROCKは、7月10日、渋谷クラブクアトロで行われる風とロックFES2007にも出演するみたいです。
編集部・K
1980年東京生まれ。中央線文化育ちの、筋金入りの文化系。でも最近、女子力アップのためホットヨガを開始しました。