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☆『ニーチェの馬』二月公開☆

タル・ベーラ『ニーチェの馬』見てきました。トリノの広場で一匹の馬の首を抱えながらニーチェが発狂したというエピソードがあります。そこからインスパイヤされたタル・ベーラの最新作『ニーチェの馬』。父と娘の余りにも生に逆行する6日間の絶望譚。近くの街は破壊され、井戸は涸れ、馬は生気を失い、火種は枯れる、、、そして6日間最後の日まで嵐は容赦なく吹きぶさむ。そして最後にはその風さえも不吉に無くなってしまう。

(以前土方巽は農作業で誰もいない大きな家で、一日中籠に入れられた秋田の赤児は糞尿もその中でしなくてはならず、夕方家族が帰る頃には足も曲がったままで真っ直ぐにはならない。そして外では大地に吹きぶさむ風の音しかしない。幾ら泣いてもわめいても誰も来てくれない。赤児はその風の音を貪り食べるしか無い。。。)

聖書の創世記では神は6日間でこの世界を創造したが、この映画は逆行する。ベーラ監督はハンガリーで一本の木と谷を見つけ、その木が窓から見える様に小屋を建て、馬屋と井戸を実際に作った。有り得ないほどの超長廻しの映像は映画の域を悠然と超える。。。      

ゴダールはその映画の作り方に嫉妬し、ブラットピットは大絶賛したという作品。

二月から渋谷イメージフォーラムにて。

http://bitters.co.jp/uma/

ヴィヴィアン佐藤(非建築家)

非建築家、アーティスト、ドラァククイーン、イラストレーター、文筆家、パーティイスト、、、と様々な顔を持つ。独自の哲学と美意識で東京を乗りこなす。その分裂的・断片的言動は東京では整合性を獲得している。。。なんちゃって。

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