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★菊地成孔@Bunkamuraオーチャードホール
★第一夜 「永遠の未亡人」
 あるいは「20世紀10周忌」

素晴らしい出来でした。。。。

菊地さんは、音楽と映像に付いての関係性、その理想的な関係性をしばしば「マリアージュ」という理想的な結婚、もしくはお料理とワインとの理想的なマッチングとして説明してきました。

今回のライヴ演出は大変シンプルなもので、これほど観客の脳裏に映像が浮かんで来る楽曲にも関わらず、VJ的な演出はいっさいナシ。しかし、そのパフォー マンスにより演奏された楽曲を説明・補足するための映像は、実は必要ないのかもしれません。存在出来ないのかもしれません。
なぜなら、もしある映画でこれらの楽曲が使用されていたのなら、それは映像を説明・補足する楽曲にはなりえないからです。
音楽と映像はお互いを補足するのではなく、組み合わせの妙なのです。


とても不思議な体験でした。

今回のペペ・トルメント・アスカラールを聞いて、結婚相手のいない結婚式。もしくは予め結婚相手が失われている夫婦/カップル。  
永遠の未亡人の葬儀(周忌。回忌)。

菊地さんはMCでずっと、20世紀を代表するダンサー(マーク・カニングハム、ピナ・バウシェ、マイケル・ジャクソン)の死を。レヴィ・ストロースの死を、森繁久彌の、水の江滝子の死を。。。。
今回のコンサートは終始20世紀を代表する文化人の死を。20世紀の死を言及されておりました。

20世紀を葬る壮大な葬儀(10周忌)の様なコンサートだったのかも知れません。
しかし、我々は皆相手のいない「未亡人」であったのかもしません。
最初から20世紀はいなかったのかもしれません。

ヴィヴィアン佐藤(非建築家)

非建築家、アーティスト、ドラァククイーン、イラストレーター、文筆家、パーティイスト、、、と様々な顔を持つ。独自の哲学と美意識で東京を乗りこなす。その分裂的・断片的言動は東京では整合性を獲得している。。。なんちゃって。

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