★★ヴィヴィアン佐藤オススメ展覧会
『大江よう オープンラボラトリ展』★★
前々回の越後トリエンナーレで「こへび隊」というボランティアを大江くんが していて、ナンパした青年。大江よう君。
彼の初の展覧会が恵比寿linArt(リムアート別館)0337161202で6/19-21 (sun)まで行われております。彼はISSEIMIYAKE出身のアーティスト眞田岳彦 師に何年も支持しており、現在「眞田塾」に在籍しているとのこと。
今回の展覧会は「基礎系ストライプ質と、臨床系ウィニコット」と題して、衣 服と自然・環境そしてデザイン・オートクチュール、普及・使用という関係性 に着目し、精神分析的な臨床調査によりカルテを制作し、その個人個人に合っ た衣服のデザイン(治療)をしていこうという試み。 そしてその材料や衣 服の基には(架空の)動物ウィニコットが存在していて、それを(架空の) モーセンダック州と言う場所で採取捕獲しているというプロセスを挿入している。
被験者(クライアント客)は幾つか心理テストを受け、各々のカルテが作られ る。そしてその結果からおおよその洋服のデザインが決定されていく。そして その次は(架空の)動物ウィニコットをモーセンダック州から捕獲していき て、その毛皮からその被験者(クライアント客)にとって唯一無二の形の服が 作られていく。その服は必ずしも被験者が望む形ではなく、むしろ自らコンプ レックスに思っていたり、自分の肉体的な意識・無意識下の心理が反影される ようである。
素材やテクスチャーはすべて同質な様なものであり、一見何かの毛皮かぼろぼ ろのタオル地の様に見える。その「ウィニコット」と呼ばれる生物は精神分析 家のドナルド・ウィニコットの「移行対象」から来ている様である。幼少期の 子供が母親さえも自分の一部だと錯覚している様に、自分と世界の境界線を明 確化するにしたがい、2つの世界の橋渡しになるもの(例えば毛皮やぬいぐる みなど「安心感を与える毛布」ともいわれている)が「移行対象」とのこと。
衣服は幼少期自我の目覚めから世界へ自立させられる際に使用され捨て去られ たぬいぐるみや毛布、いわば精神的な「臍の緒」の様なものなのかもしれない。 おおえ作品は「衣服を創ることは」=「臍の緒」を再度手に入れる儀式の様な ものかもしれない。
PS 大江くんはなかなか笑顔の素敵なイケメンです(笑)。
★『基礎系ストライプ質と、臨床系ウィニコット』展★
06/19(FRI)−21(SUN) @リムアート別館(limArt)
12:00-20:00(最 終日のみ19:00まで)
渋谷区恵比寿南2-15-6-greenhillsGF
03-3716-1202
☆会期中ワークショップも行われております。
06/20(SAT)タッセルを作ろう
06/21(SUN)グルを作ろう
ヴィヴィアン佐藤(非建築家)
非建築家、アーティスト、ドラァククイーン、イラストレーター、文筆家、パーティイスト、、、と様々な顔を持つ。独自の哲学と美意識で東京を乗りこなす。その分裂的・断片的言動は東京では整合性を獲得している。。。なんちゃって。