インディーズ・シーンを記録した伝説の本
『ストリート・キングダム』
奇跡の復刻!
先週、先々週とチェ・ゲバラがらみで、自著の宣伝までしてしまいました。今回はガラッと趣向を変えて、日本のアンダーグラウンド・シーンをゆるがせた伝説の本を紹介します。
この1月に発売された『ストリート・キングダム』は、1970年代後半から80年代半ばまでの、日本のパンク黎明期を写真と文章で記録した異色の本。初版は1986年で、長らく入手困難になっていた「幻の書」です。今回、22年ぶりに全面リニューアルして本当に待望久しい再発売となりました。
2月に公開されるクドカンの最新作『少年メリケンサック』でも描かれている通り、この時代のパンクは本当に熱かった。渋谷では、『ラ・ママ』『クロコダイル』、そして今は無き『ライブ・イン』などなど、多くのライブハウスで夜毎エキサイティングなライブが繰り広げられていたものです。本書の付録DVDには、1980年当時の『クロコダイル』でのライブ風景が収録されているので、遅れて来たパンク少年は必見です。
これは、都内某所で行われた『ストリート・キングダム』発売記念イベントの模様(写真2)。左から著者の地引雄一氏、チコ・ヒゲ(exフリクション)、恒松(exフリクション)、高木完、モモヨ(exリザード)と、パンクの生き証人たちがズラリ勢揃いだ。プロレスで例えるなら、猪木、馬場、鶴田、長州、タイガー、がガン首揃えた状態とでも言いましょうか…
こちらの写真(写真3)ではジュネ(exオート・モッド)、チューヤ(exアレルギー)も登場し、さながら会場は80’sパンクのカリスマたちの同窓会といった趣き。
『ストリート・キングダム』は書店だけでなく、渋谷タワレコのロックコーナーでも販売しています。インディーズ・ブーム再燃の今、必携の書でしょう。
高橋慎一(フォトグラファー)
98年よりフリーランス・フォトグラファーとして独立。現在、雑誌・書籍・CDジャケットなどで活躍中。また、ライターとして音楽関係、海外紀行、ドキュメント記事等を雑誌や書籍で精力的に執筆。