渋谷文化プロジェクト

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2008年、映画アクセスランキング発表!

2008年も残すところ、あと数時間となりました。
いつもよりも、街行く人びとが気持ち早足に見えます。
カウントダウンライブ? それとも飲み会?

渋谷の街の至るところで、「お正月」を見つけることが出来ます。
下写真はしぶちか階段付近です。

振り返れば、今年の渋谷は副都心開業、ヤマダ電機のオープン、岡本太郎の「明日の神話」の一般公開など、様々なニュースが飛び交いました。渋谷にとって、大きな転機を迎えた年であったこと改めて実感させられます。
年末年始の特集企画「2008渋谷を振り返る みんなが選ぶ今年のニュース」の中でも、詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。

さて年内最後のブログは2008年1月1日〜12月30日の期間で、当サイトにアクセスが多かった映画作品のPV(ぺージビュー)ランキングを発表したいと思います。

堂々の人気ナンバーワンは「いのちの食べかた」(監督:ニコラウス・ゲイハルター) でした。2007年11月10日から渋谷イメージフォーラムにて上映を開始し、実に半年間、40週にも及ぶ大ヒットとなりました。日ごろ私たち消費者は、スーパーマーケットに並べられたパック入りの食肉を何の迷いもなく購入しています。ところが、このパック入りの食肉が一体どんな工程を経て店頭までやって来ているのか、知っている人はそう多くありません。ナレーションやインタビューが一切ない本ドキュメンタリーは、農場から私たちの口まで続くベルトコンベア的な工程を決して非難するわけでもなく、正当化するわけでもなく、その現状を淡々と映していくだけ。ここ最近では消費期限切れ食品や加工工程で加わった毒物など、様々な食の問題が噴出していますが、この映画を観た私たちは、今後どんな行動をとるべきなのでしょうか。大きな難問を突きつけられた格好となりました。

1位:いのちの食べかた(監督:ニコラウス・ゲイハルター)
2位:闇の子供たち(監督:阪本順治)
3位:崖の上のポニョ(監督:宮崎駿)
4位:人のセックスを笑うな(監督:井口奈己)
5位:ラフマニノフ ある愛の調べ(監督:パーヴェル・ルンギン)
6位:花より男子ファイナル(監督:石井康晴)
7位:≒草間彌生〜わたし大好き〜(監督:松本貴子)
8位:カンナさん大成功です!(監督:キム・ヨンファ)
9位:ラスト、コーション(監督:アン・リー)
10位:チェブラーシカ(監督:ロマン・カチャーノフ)
11位:消えたフェルメールを探して / 絵画探偵ハロルド・スミス(監督:レベッカ・ドレイファス)
12位:アース Earth(監督:アラステア・フォザーギル)
13位:ダークナイト(監督:クリストファー・ノーラン)
14位:アンナ・カリーナ週間(監督:ジャン=リュック・ゴダール)
15位:SEX and the CITY(監督:マイケル・パトリック・キング)
16位:レッドクリフ Part1(監督:ジョン・ウー)
17位:世界で一番美しい夜(監督:天願大介)
18位:インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国(監督:スティーブン・スピルバーグ)
19位:ファクトリー・ガール(監督:ジョージ・ヒッケンルーパー)
20位:靖国(監督:李纓)

続いて2位は「闇の子供たち」(監督:阪本順治)でした。タイの幼い子どもたちの人身売買、売春、臓器移植の問題を描いた社会派作品。「いのちの食べかた」同様にそれが良いのか、悪いのか、 ”いのち”や”生きる”ということが一体どんなものであるのかを考えさせます。生きるために子どもを売る大人、その子どもを買う大人、子どもを助けるために非合法の臓器を買う大人・・・。誰が悪いのか?この負のスパイラルを断ち切るにはどうすれば良いのか?自分の無力さを思い知らせれる、今年一番の映画と言えるかもしれません。同様に大きな社会問題となったのが、20位の「靖国」(監督:李纓)でした。全国の映画館で上映中止が相次いだことが、かえってパブリシティ効果を生み、上半期の大きな話題作に。「闇の子供たち」同様にタイ、中国や韓国などアジア諸国と、日本が抱える問題や複雑な関係があらためて浮き彫りとなりました。

一方、暗いニュースの多かった2008年を元気づけたのが、3位の「崖の上のポニョ」(監督:宮崎駿)でした。アンデルセンの童話「人魚姫」をモチーフに、5歳の宗介少年と「人間になりたいと願う」さかなの子のポニョとの友情と冒険を描いたファンタジー。知らず知らずに「ポーニョ、ポーニョ♪」と口ずさんでしまったら、あなたもポニョに洗脳されているのかも。

以下、第4位は「人のセックスを笑うな」(監督:井口奈己)、永作博美さんみたいな年上に騙されたい!と願った男性陣もきっと多かったに違いない。第5位は渋谷ル・シネマのオープニング記録を樹立した「ラフマニノフ ある愛の調べ」(監督:パーヴェル・ルンギン) 、6位は人気テレビドラマ・シリーズの「花より男子ファイナル」(監督:石井康晴)、7位は天才芸術家のチャーミングな一面も垣間見えるドキュメンタリー「≒草間彌生〜わたし大好き〜」 (監督:松本貴子) が続きました。

そのほか、9月27日より渋谷アップリンクで上映スタートした「消えたフェルメールを探して / 絵画探偵ハロルド・スミス」(監督:レベッカ・ドレイファス)が11位、11月1日より全国ロードショーとなった「レッドクリフ Part1」(監督:ジョン・ウー)が16位に挙げられるなど、現在上映中の話題作も早くもランキング圏内に登場しています。特に「レッドクリフ」は来年4月に Part2の上映が決まっており、2009年のアクセスランキング上位を予感させる作品となりそうです。

2008年のランキングには「いのちの食べかた」「闇の子供たち」「靖国」など社会派作品が目立ち、映画から世界や日本の抱える問題を真剣に考えようとする人が増えていることがうかがえます。環境問題、食問題、裏社会、宗教問題・・・、2009年以降、私たちはどんな問題に立ち向かうことになるのでしょうか。

今年一年、渋谷文化プロジェクトをご愛読いただき、誠にありがとうございました。
来年もホットな話題を取り上げていきたいと考えていますので、今後とも宜しくお願い申し上げます。

2009年が皆さんにとって、良い年になりますようお祈り申し上げます。

編集部・フジイタカシ

渋谷の記録係。渋谷のカルチャー情報のほか、旬のニュースや話題、日々感じる事を書き綴っていきます。

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