大掃除の季節、渋谷から考えるゴミ問題!?
年末になると、自分のモノが捨てられない性分に嫌気が差す。
それはモノに愛着を覚えるからか、それとも捨ててから後悔することが多いからか・・・。
たとえば切符、自動改札のまだ導入されていない頃のハサミの入った電車の切符は、今も実家に1000枚くらいはあるだろう。昔のマッチ箱、喫茶店の名前や定食屋の名前の入ったもの。それから本屋のブックカバー、なめ猫の運転免許証、穴のあいた靴下、PowerMac7200、 2000年のカレンダー、銀座グラフィックギャラリーのDM、何を撮ったか忘れた使い捨てカメラ、読み返すことのないフリーペーパー、ジャムの空き瓶・・・、
そうそう、それからレシートだ!
先週末までギャラリーコンシールでは、広島在住のアーティスト 高田泉さんの作品展が行われていた。その中の作品の一つに大量のレシートを用いたインスタレーションがあった。アーティストである高田さんは、友人たちに協力をいただいて実に1万枚以上のレシートを集めたという。羽毛のようにふんわりと、ギャラリースペースを覆い尽くすレシート。ザクザクとその上を歩いても良い、両手いっぱい抱き上げて一気に宙へ放り上げたって良い・・・。
大量消費の副産物としてのレシート、要するに無駄なものであるが、経済、人間の私利私欲の記録がこれだけ集まると何とも圧巻と言わざるを得ない。
さすがに1万枚とはいかないが、私もなぜかレシートが捨てられない。
もちろん、すべてのレシートを残しているわけではないが、 ひとり旅の旭川で立ち寄ったラーメン屋のレシート、富士山八合目にあるトモエ館のレシート、モントリオールで宿泊したホテルのレシート、渋谷12ヶ月ビルにあったカフェで好きなコに告白した日のレシート…。
そこに記録された日付、オーダーした品、値段、人数・・・、私にとってのレシートはある意味、日記のような存在であり、忘れかけていたあの日、あの場所の記憶を鮮明に蘇らせることが出来るものと言えるかもしれません。
またゴミといえば、現在、東京ワンダーサイトで「ヴィック・ムニーズ『ビューティフル・アース』展」が開催中です。リオデジャネイロにあるゴミ処理場「ジャジン・グラマーショ」で清掃の仕事に従事する人々と一緒に制作したという、バスケットコート2面分に相当するゴミで作られた作品は、観る者に確実に驚きと感動を与えます。
youtubeでヴィック・ムニーズさんの動画を見つけました。
また詳しくは、来週火曜日更新予定の当サイトの特集記事でも紹介しますので、ぜひご覧ください。
まあ、何はともあれ、今年の年末は、もう少しモノを減らすとしますか・・・。
編集部・フジイタカシ
渋谷の記録係。渋谷のカルチャー情報のほか、旬のニュースや話題、日々感じる事を書き綴っていきます。