渋谷が音楽に染まる日
11月15日、16日に、渋谷各所でフリーライブが繰り広げられるイベント『第3回渋谷音楽祭』が行われました。この音楽祭では、主に渋谷駅周辺に点在するライブハウスの推薦アーティストさん19組が登場。普段はライブハウスに行かないと聞けない彼らの音楽が青空の下で自由に堪能できる、というイベントです(あいにくの曇り空でした!)。
15日のお昼過ぎに渋谷駅に降り立つと、既に東横駅の出口右手からなにやら軽快な管楽器の音楽が。ちょっとそわそわして、足早に音のする方に駆けつけてみると、渋谷駅東口から宮益坂へと抜けられる跨道橋にて、慶応義塾大学のジャズバンドK.M.P.ニューサウンドオーケストラのみなさんが演奏している最中でした。演奏は、ドラムにベースのリズムラインがあって、そこにトランペットやトロンボーンのメロディラインを重ね合わせていくというモダンジャズのスタイルです。ジャズの即興をライブで聴くなんて経験がほとんど無かったので、演奏技術の高さにビックリ。すごいです。即興の後には拍手も湧き上がったりして、いつもは足早に通り過ぎる駅から街までの渡り廊下が、そのときはなんだかちょっと知的なクラブの様な雰囲気になっていました。
さて、得した気分で続いてはマルイシティへ。すると、さっきの格式高い雰囲気が一変。ノリのいいロックバンドの演奏が響いていました。ギターを抱えて、キレイな歌声を披露していたのは、シンガーソングライターの長谷志恩さん。ドラムとのユニット演奏です。立ち止まって音楽に耳を傾ける人たちの年齢もぐっと若く、前の方の人たちは音楽にのって楽しそうに体を揺らしています。
そして、ワンダーサイトに立ち寄ったりしてマークシティへ。会場は「イーストモール1F」とあったのでマークシティの周辺をうろうろしていると、先の方から奇妙な電子音が聞こえてきました。…テ、テルミン?しかも良く聞いてみるとなんだか知っている歌のようです。慌てて駆けつけると、ステージは赤い壁に金の装飾が施されクリスマス一色。そこに、キレイな女の人がスッとたって、両手を空中にフニャフニャと漂わせて、クリスマスソングを奏でていました。クリスマスに彩られたマークシティにテルミンの音が響くという組み合わせが面白い!
演奏していたのはテルミン・ギター・アコーディオン・パーカッションによる電子&アコースティックバンドTAMAMI★さん。
さて、終わってみれば、普段好きな音楽も聴かない音楽もごちゃ混ぜに、いろんなジャンルの音楽を一日で一気に体験してしまった、という感じです。27のライブハウスの協力のもとのイベントだそうですが、きっとそれぞれのライブハウスの特色が、アーティストさんたちの奏でる音楽性として発信されているんでしょうね。
16日(日)には、今回初の試みとして、文化村通りと道玄坂がライブ会場兼歩行者天国となりました。いつもは車と人でぐっちゃぐちゃの通りが、道路の真ん中からすっきりと見渡せる風景は圧巻。
編集部・横田
1980年生まれ、神奈川県在住。大学進学を期に上京して以来渋谷はカルチャーの聖地です。現在は渋谷文化プロジェクト編集部に所属しながら、介護士として働くニ足のわらじ生活です。