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ポニョポニョポニョ‥‥

週末、宮崎駿の最新作『崖の上のポニョ』を観た。

冒頭10分、いきなり目の前で繰り広げられる「どこでも見たことがない海の映像・動き」の連続に、思考が停止して毛穴が開いた!
人面魚ポニョは、「となりのトトロ」のメイちゃんのように愛くるしい反面、人間の姿と魚の姿を行き来する様子は不気味で、心を許していいのやら悪いのやら、そんな「敵」とか「味方」とかいう王道的な物語の枠組みを忘れてしまったかの様に、映画はどんどん進んでいった。頭で考えるのではなく、体で受け止めざるをえないまま、ただ目の前で自由自在に溢れてくるイメージの世界に飲み込まれた、という感じ。もちろん物語や設定に消化不良な部分は多く、賛否両論あるのもわかる。私も「面白いー?」と軽く聞かれたら、どう答えようかとちょっと考えるし。でも、あの動きやあのセリフやあの音楽は、どうやら既に私のなかにドロッと停滞していることが事実です。昨日だって、オリンピックで「バタフライ」の中継を観ていて突然ポニョのワンシーンが頭に浮かんできました。
『崖の上のポニョ』は、無垢を装った(もしくは無垢を押し進めた果ての)危険で恐ろしい魅惑的な映画だと思う。

私の頭の中は、「面白い」「面白くない」の判断を下すよりもっと原始的なやり方で、既にポニョにジャックされてしまった。みなさんもくれぐれも気をつけて!

編集部・横田

1980年生まれ、神奈川県在住。大学進学を期に上京して以来渋谷はカルチャーの聖地です。現在は渋谷文化プロジェクト編集部に所属しながら、介護士として働くニ足のわらじ生活です。

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