渋谷文化プロジェクト

渋谷をもっと楽しく!働く人、学ぶ人、遊ぶ人のための情報サイト

2008上半期、映画アクセスランキング!!

7月に入ってからしばらく梅雨の中休みが続き、渋谷でも雨傘ではなく、日傘を差して街行く女性たちの姿が目立ちました。
ところが本日はといえば、折角の七夕にも関わらず、渋谷は一気に梅雨空へ逆戻り――。やはり、今年も織女星と牽牛星を眺めることはできそうにありませんね。

さて、今年も早いもので半年が過ぎました。
そこで本日は2008年1月1日〜6月30日の期間で、当サイトにアクセスが多かった映画作品のPV(ぺージビュー)ランキングを発表したいと思います。

アクセスランキングの堂々の第1位は、ドキュメンタリー映画「いのちの食べかた」でした。昨年11月10日から渋谷イメージフォーラムにて上映を開始し、既に8ヶ月間を超える大ロングラン上映となっています。「不都合の真実」「ダーウィンの悪夢」など、環境問題を鋭く描いたドキュメンタリー作品のヒットに続き、今年は「いのちの食べ方」をはじめ、「ファーストフード・ネイション」「おいしいコーヒーの真実」といった食を題材にした作品が増えています。こうした背景には、ミートホープの牛肉ミンチ偽装、中国製ぎょうざ農薬混入事件、船場吉兆の使い回し問題など、私たちの食の安全に対する問題意識や危機感の高まりも少なからず影響しているのではないでしょうか。

1位:いのちの食べかた(監督:ニコラウス・ゲイハルター)
2位:人のセックスを笑うな(監督:井口奈己)
3位:ラフマニノフ ある愛の調べ(監督:パーヴェル・ルンギン)
4位:≒草間彌生〜わたし大好き〜(監督:松本貴子)
5位:ラスト、コーション(監督:アン・リー)
6位:アース Earth(監督:アラステア・フォザーギル)
7位:ファクトリー・ガール(監督:ジョージ・ヒッケンルーパー)
8位:カンナさん大成功です!(監督:キム・ヨンファ)
9位:ナショナル・トレジャー リンカーン暗殺者の日記(監督:ジョン・タートルトーブ)
10位:靖国(監督:李纓)
11位:アンナ・カリーナ週間(監督:ジャン=リュック・ゴダール)
12位:陰日向に咲く(監督:平川雄一朗)
13位:ひなぎく(監督:ヴェラ・ヒティロヴァー)
14位:トゥヤーの結婚(監督:ワン・チュアンアン)
15位:世界で一番美しい夜(監督:天願大介)
16位:ナルニア国物語 第2章:カスピアン王子の角笛(監督:アンドリュー・アダムソン)
17位:アディクトの優劣感(監督:藍河兼一)
18位:タクシデルミア ある剥製師の遺言(監督:パールフィ・ジョルジ)
19位:サルサとチャンプルー(監督:波多野哲朗)
20位:マイ・ブルーベリー・ナイツ(監督:ウォン・カーウァイ)

第2位は「人のセックスを笑うな」。山崎ナオコーラさんの同名小説を映画化したもので、ちょっと刺激的な題名ではあるものの、内容は至って健全、R指定に触れない純粋な恋愛作品。「“人セク(ひとせく)”観た?」というフレーズは一時流行となりました。
同様に青春の切ない恋愛映画といえば、20位「マイ・ブルーベリー・ナイツ」も話題に。ウォン・カーウァイ監督は「恋する惑星」「天使の涙」「ブエノスアイレス」「2046」等々、切ない恋愛ものを撮らせたらピカ一。「マイ・ブルーベリー・ナイツ」では、撮影監督のクリストファー・ドイルの不在に加え、常連であるトニー・レオンやマギー・チャンの出演はなく、すべてハリウッドスターのみで固めたウォン・カーウァイ監督の新境地。映画初主演のノラ・ジョーンズの演技も初々しい。

続いて3位は「ラフマニノフ ある愛の調べ」。ロシアの天才ピアニストである、ラフマニノフの波乱に満ちた人生と、それを支えた妻の愛の物語。テレビドラマ化された人気コミック「のだめカンタービレ」の中で、「ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番ハ短調作品18」が使用されたことも影響してか、渋谷ル・シネマで上映を開始した4/19の観客動員が733人、4/20も706人を数え、連日満席のオープニング記録を樹立したといいます。
そのほか、上半期で目立ったのはトップの「いのちの食べかた」同様に、4位「≒草間彌生〜わたし大好き〜」、6位「アース Earth」、10位「靖国」、19位「サルサとチャンプルー」とドキュメンタリー映画が多数ランクインしました。中でも10位「靖国」は、全国の映画館で上映中止が相次ぐ中、渋谷シネアミューズが憲法記念日にあたる5月3日から公開をスタートし、大きな話題を集めました。メディアによる連日報道が、かえって大きなパブリテシティ効果を生み出す結果に結びつき、ドキュメンタリーとして異例の全国的なヒットを記録しました。作品に対する賛否は様々ですが、いずれにしても私たちが「靖国神社」や、アジアの人々の中にある「反日感情」について考える良いきっかけになったのではないでしょうか。

こうして上半期にアクセスの多かった作品を振り返ってみると、いまの渋谷、今日の日本のトレンドや関心事、さらに問題点に至るまで、より強く浮き彫りとなったような気がします。

関東では梅雨明けはもう少し先になりそうですので、しばらくはDVDでも借りて、映画三昧の日々を楽しむのも良いのでは。 ちなみに私は、昨日、「プリズンブレーク シーズン3」を観ようと、レンタルショップへ出かけましたが、残念ながらすべてレンタル中でした(泣)。

編集部・フジイタカシ

渋谷の記録係。渋谷のカルチャー情報のほか、旬のニュースや話題、日々感じる事を書き綴っていきます。

オススメ記事