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外国人観光客人気が高まる「渋谷」 デジタルパス実証実験など新たな施策で消費拡大を目指す 

東京都が実施している「国・地域別外国人旅行者行動特性調査」によれば、2022年の調査で訪日外国人の訪問先で最も多かったのは「渋谷」(58.4%)。銀座や浅草などの観光名所を抑えての1位は初めて。また、実際に訪れて満足した場所でも「渋谷」(10.3%)がトップとなり、渋谷人気が高まっている。

こうした背景には、東京五輪開催を契機とした観光コンテンツの充実や、ホテルなどの滞在施設の充実が挙げられる。かつて渋谷といえば、「忠犬ハチ公像」「渋谷スクランブル交差点」以外の観光スポットがなく、旅行者の長期滞在を促すホテルの供給不足なども問題とされてきたが、それもこの数年でだいぶ解消されてきた。

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たとえば、渋谷スクランブルスクエア屋上の展望施設「SHIBUYA SKY」、渋谷PARCOの「ポケモンセンターシブヤ」、 屋上公園・しぶや横丁などを擁する「MIYASHITA PARK」、さらにドン・キホーテが運営する商業施設「道玄坂通」など、コロナ禍前後に開業した新施設は、インバウンドを見越した魅力的なコンテンツを提供することで、多くの外国人観光客を集客し魅了している。昨年9月には道玄坂通内に外資系ホテル「ホテルインディゴ東京渋谷」がオープンし、今年2月には渋谷サクラステージに「ハイアットハウス渋谷」、渋谷ブリッジにホステル「HOTEL GRAPHY(ホテルグラフィー)」の開業を予定するなど、渋谷は「国際的な観光都市」として生まれ変わろうとしている。

さらに、渋谷における外国観光客の滞在時間延長と地域消費拡大に向けた新たな取り組みも始まっている。東急は2月から、インバウンド向け域内周遊デジタルパス「SHIBUYA PASS(シブヤパス)」の実証実験を開始した。

▲「SHIBUYA PASS」の画面イメージ。英語、中国語(繁体字、簡体字)に対応する

同実験では、渋谷駅周辺エリアを中心にグルメ、バー、お笑い、お土産など30以上の店舗が参画。訪日外国人旅行者は、専用ウェブサイトで体験・サービスと引き換えられるポイントを事前購入し、参画施設・店舗で現地スタッフにスマホ画面を見せるだけで、通常よりも割安でキャッシュレス・チケットレスで利用できる。パスは一律4,500円で11ポイントが付与され、旅行者は30以上のサービスや体験の中から自由な組み合わせでポイントを使用できる。

▲グルメ・バー・お笑い・お土産などSHIBUYA PASSで受けられるコンテンツの一部

たとえば、渋谷スクランブル交差点を一望できる「MAGNET by SHIBUYA109」にあるルーフトップラウンジ「CROSSING VIEW & ROOFTOP LOUNGE MAG8」の利用チケット&ドリンク(4ポイント)、天井がない2階建ての周遊観光バスの利用(6ポイント)、渋谷駅地下にある「WANDER COMPASS SHIBUYA」での手荷物預かり(1ポイント)など、ポイントをうまく組み合わせて渋谷観光を楽しむ試みだ。これらの体験・サービスは通常6,100円かかるが、「SHIBUYA PASS」を使えば4,500円で利用でき、1,600円お得になる。

▲SHIBUYA PASSの付与11ポイントの利用例。自由な組み合わせで渋谷の街の観光が楽しめる

まだ知られていない渋谷の魅力や渋谷ならではの体験・サービスをワンストップで提供することで、訪日外国人旅行者にとっての利便性を高めるとともに、渋谷エリアにおける滞在時間延長、周遊性の向上、地域消費の拡大を目指すという。実証実験は4月30日まで(販売は3月31日まで)。

同サービスはインバウンド向けであるが、日本人観光客にもニーズがありそうだ。今後も渋谷の観光施策に注目していきたい。

★インバウンド向け域内周遊デジタルパス「SHIBUYA PASS」
https://shibuya-pass.com

 

編輯部 - Fujiitakashi

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