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明治神宮の「第一鳥居」建替え完了、鎮座100年の記念事業の締め括り

明治神宮、原宿駅近くの「第一鳥居(南参道鳥居)」が創建以来初となる建て替えが終わり、7月4日から新しい鳥居に変わった。

明治神宮の創建は1920(大正9)年11月1日。令和2年に鎮座百年を迎え、「明治神宮鎮座百年祭」の記念事業として、御社殿の屋根修復工事や明治神宮ミュージアム設立など、これまで様々な取り組みが行われてきた。新型コロナ感染拡大の影響で当初の予定よりもやや遅くなったが、老朽化や腐食が進んでいた「第一鳥居」の建て替えを終え、記念事業の全ての取り組みが無事に完了した。

第一鳥居の建て替えの歩みは、2014(平成26)年12月6日に奈良県吉野郡で木材を最初に切り出す「御杣始祭(みそまはじめさい)」から始まり、2017(平成29)年4月5日に山形県酒田市で安全を祈願する「釿始祭(ちょうなはじめさい)」を実施。さらに今年1月20日に旧鳥居の解体を始める「建替工事起工清祓(せいばつ)式」、4月16日に「用材修祓式・建替工事建方始清祓式」を行い、7月4日にお披露目となる「竣工清祓式」に至った。

木造の「明神鳥居」としては日本最大の大きさとなる第一鳥居は、高さ11メートル、笠木(一番上の横位置の木)の長さ15.6メートル、両柱の直径1.06メートル。サイズは全て旧鳥居と同じ規模で制作されているが、材木は台湾檜(ひのき)から国産杉に変更。これまでの鳥居や他の7基は全て檜材を使っているが、新しい鳥居は境内で唯一の初めての杉材となる。

1990年代以降、台湾の国有林(天然林)の伐採が原則禁止されていることから、新しい鳥居の柱は東側が樹齢280年、西側が樹齢260年の「吉野杉」、笠木は栃木県の「宇都宮材」など、島木は三重県の「美杉材」など、貫は福井県の「足羽(あすわ)材」など、国内数カ所の杉を使って制作。島木の外側・内側に取り付けられている「菊の御紋」は、旧鳥居の御紋の箔を貼り直し使っている。

▲清祓(きよはらい)の儀

7月4日の「竣工清祓式」は明治神宮、工事関係者など約40人が参加し、雨模様のなか朝10時から始まった。

儀式は「修祓(しゅばつ)」から「降神の儀(こうじんのぎ)」「祝詞奏上(のりとそうじょう)」と進み、「清祓(きよはらい)の儀」では、斎主らが鳥居の両柱の外側内側の計4カ所それぞれ、最後に鳥居外側の中央でお祓いを行った。

儀式の最後には関係者らが一列に並び、鳥居を初めてくぐる「くぐり初め式」が行われた。

新しい鳥居は、土の中に両柱が約2メートル埋まっているが、腐食防止のため、その部分は銅で覆うなど、今後100年以上の長期維持が可能なように十分な対策を行っているという。次の「くぐり初め式」は200年、いや300年先になるかもしれない。そう考えると、今回の建て替えは大変貴重な機会であったことがわかる。

Editorial department · Fuji Itakashi

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