昨年よりも平均人口は減少、今年は「おとなしい渋谷ハロウィーン」に
時短営業の解除後初の週末とハロウィーンが重なった今年、渋谷駅周辺の人流はどうだったのだろうか?
週末のテレビ報道を見ている限り、若者を中心にものすごい数の人々が渋谷の街に押し寄せ、極度な密状態が生まれて「コロナ再拡大」を不安視する声が多かった。が、実際に駅周辺の人流は増えたのだろうか、改めて振り返ってみたいと思う。
ソフトバンクの子会社で位置情報を活用したビッグデータ事業を手掛ける株式会社Agoop(アグープ)が提供するデータを活用して、「渋谷センター街」の一時間当たりの平均人口の時間別推移を見てみよう。
時短営業解除で平均人口は約4割増
時短営業解除前でハロウィーン1週間前の24日(日)17時台の平均人口は29,141人、21時台は13,516人。同じ時間帯で比較した結果、30日(土)17時台は3.8%増(30,245人)、21時台は40.7%増(19,017人)、31日(日)17時台は10.3%増(32,151人)、21時台は38.4%増(18,707人)。30日・31日ともに17時台の数値は24日(日)と比較し、約1割増加に留まったものの、21時台の数値は約4割も増加していることがわかる。時短営業の解除前までは19時以降、急激に平均人口が減少する傾向が見られたが、解除に伴い、飲食店や飲み屋が集積する「渋谷センター街」の夜帯の平均人口が大きく増加していることが明らかとなった。約11カ月ぶりに通常営業に戻り、久々に友人や同僚と夜の渋谷でお酒を楽しんだ人もきっと多かったのではないだろうか。
渋谷ハロウィーンの平均人口は昨年よりも減少
次に2020年と2021年のハロウィーン当日(31日)の時間別で、渋谷センター街の平均人口の違いを見てみたいと思う。テレビ報道を見ていると、今年の31日は緊急事態宣言明けで、今までのうっ憤を晴らすかのようにハロウィーン仮装した多くの人々が押し寄せ、渋谷の街はものすごく混雑していた印象を受けるが、上記グラフの通り、渋谷センター街の人流を昨年と比較してみると、コロナ1年目よりも平均人口は、むしろ各時間帯ともほぼ下回っていたことが明らかとなった。
当日は雨の影響もあり、例年に比べるとハロウィーン仮装する人もまばらであった。時短営業の解除後初となるハロウィーンに区、警察ともに警戒を強めていたが、終わってみれば、長引くコロナの影響からか昨年よりも「おとなしい渋谷ハロウィーン」となった。
コロナ収束後、かつての賑わいが戻ったとき、この集客力を生かした「安心安全な観光イベント」として、渋谷ハロウィーンをどう変身させられるか。五輪では実現できなかった海外からの旅行者を集客する観光装置として大いに期待される。活用できるか否か、今後の渋谷の腕の見せ所といえるだろう。
編集部・フジイタカシ
渋谷の記録係。渋谷のカルチャー情報のほか、旬のニュースや話題、日々感じる事を書き綴っていきます。