渋谷を中心に「パビリオン・トウキョウ2021」開催 草間彌生さんら参加
建築家6名とアーティスト2名が設計したパビリオンが、新国立競技場を中心とする都内9カ所に登場するアートイベント「パビリオン・トウキョウ2021」が7月1日に始まった。
東京都、公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京、パビリオン・トウキョウ2021実行委員会が主催する芸術・文化の祭典「Tokyo Tokyo FESTIVALスペシャル13」の一環で実施される同イベントは、オリ・パラ会期中の東京を芸術・文化面から盛り上げていくもの。
参加するのは、藤森照信さん、妹島和世さん、藤本壮介さん、平田晃久さん、石上純也さん、藤原徹平さんの建築家6人と、会田誠さん、草間彌生さんのアーティスト2人。さらに特別参加として真鍋大度さんとライゾマティクスが加わり、計9組が未来の建築やアートをテーマとし、新国立競技場を中心とする様々なエリアにそれぞれの作品を展示している。
全9作品のうち、渋谷区内には藤森照信さんが手掛けた茶室「五庵」(会場:渋谷区神宮前2-21-1 ビクタースタジオ前)、藤本壮介さんの「Cloud pavilion(雲のパビリオン)」(会場:代々木公園 パノラマ広場付近)、平田晃久さんの「Global Bowl」(会場:渋谷区神宮前5-53-70 国連大学前)、藤原徹平さんの「ストリートガーデンシアター」(会場:渋谷区神宮前5-53-1 旧こどもの城前)、草間彌生さんの「オブリタ―レーションルーム」(会場:渋谷区渋谷1-18-21 渋谷区役所 第二美竹分庁舎)と計5作品が設置されている。
今回の企画は、ワタリウム美術館が担当。屋外アート巡り、ワタリウムと聞けば、1995年にワタリウム美術館が仕掛けた屋外アートを巡る伝説の展覧会「水の波紋」を思い出した人もきっと多いだろう。散歩がてら、マップを見ながらパビリオン巡りをしてみるのも楽しさそうだ。
さて、このレポート記事では9作品の中から、草間彌生さんが手掛けた「オブリタ―レーションルーム」を詳しく紹介したい。草間さんといえば、水玉模様で背景も、自分自身もすべて埋め尽し、自己消滅させる「セルフ・オブリタレーション」が有名である。今回、渋谷区役所第二美竹分庁舎に設置されている「オブリタレーションルーム」は、その代表的なインスタレーションを、来場者参加型で仕上げていくという試み。
基本的にイベントは無料、予約なしで鑑賞可能であるが、同作品を含め屋内展示や一部作品に関しては、コロナ感染対策のため完全事前予約制。事前に公式ホームページから日時予約の上、来場ください。
会場入口ではチケット確認と同時に、大中小サイズの異なる色とりどりの丸いシールのシートが1枚提供。このシールを持って、家をモチーフとした会場内へ移動する。玄関から入るとキッチンダイニング、リビングルーム、縁側のある和室と全3つの部屋が広がっている。
床や壁、机や椅子、鍋や包丁、冷蔵庫やテレビ、野菜や果物など全てモノが真っ白に塗られた部屋。鑑賞者は真っ白な部屋の中を移動しながら色とりどりのシールを、自分の好きな場所やモノに自由に貼ることができる。
草間さんの代表作である「オブリタレーション」を鑑賞者が仕上げていくという参加型のインスタレーション。 もともと真っ白だった部屋が、約2カ月間の会期を通して水玉で埋め尽くされ、徐々に部屋はその水玉の中に存在を消滅していく。会期中に何度か会場を訪れることで、その変化の過程を楽しむことができそうだ。
Tokyo Tokyo FESTIVAL スペシャル13
パビリオン・トウキョウ2021
○会期:2021年7月1日(木)〜9月5日(日)
○会場:
新国立競技場周辺エリアを中心に東京都内各所
ビクタースタジオ前/明治神宮外苑 いちょう並木入口/国際連合大学前/旧こどもの城前/渋谷区役所 第二美竹分庁舎/代々木公園 パノラマ広場付近/kudan house庭園/ 浜離宮恩賜庭園 延遼館跡/高輪ゲートウェイ駅 改札内
○時間:
各パビリオンごとに異なるため、公式サイトを御確認ください。
○公式:https://paviliontokyo.jp/
○パビリオン・クリエイター:
藤森照信、妹島和世、藤本壮介、平田晃久、石上純也、藤原徹平、会田誠、草間彌生 ○主催:東京都、公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京、パビリオン・トウキョウ2021実行委員会
○企画:ワタリウム美術館
編集部・フジイタカシ
渋谷の記録係。渋谷のカルチャー情報のほか、旬のニュースや話題、日々感じる事を書き綴っていきます。