GWにおうちで日本の名画を楽しもう! 広尾・山種美術館、原宿・太田美術館
ゴールデンウィークに突入したものの、コロナ感染拡大でレジャーや外出もままならず、時間を持て余している人もきっと多いのではないだろうか。そこで自宅に居ながら、渋谷にある美術館のアートが楽しめるオンラインコンテンツを紹介したい。
「渋谷=若者の街」というイメージが強く、アートと言ってもグラフィティなどのストリートアートを想像する人が多いはず。ところが、渋谷には意外にも日本美術を代表する美術館がそろっている。
1.緊急企画!山種美術館ギャラリーツアー開催
その一つが、渋谷区広尾にある日本が専門美術館「山種美術館」(渋谷区広尾3-12-36)だ。山種証券(現SMBC日興証券)創業者・山崎種二氏(1893〜1983)が個人で蒐集した日本美術のコレクションをもとに、1966年に日本橋兜町で日本初の日本が専門美術館として開館。その後、2009年、現在の広尾に移転している。横山大観や速水御舟、上村松園、川合玉堂、奥村土牛など、明治から現在までの近代・現代日本画を中心に約1800余点を所蔵。日本画の魅力を伝える美術館として知られる。
今年のGWは開館55周年を記念し、花を描いた絵画で美術館を満開にする特別展「百花繚乱 ―華麗なる花の世界―」(4/10〜6/27)が開催される予定であったが、緊急事態宣言に伴い、残念ながらGW明けの5月11日まで臨時休館している。
こうした状況下の中、同館は緊急企画として5月2日、5月5日の2日間、「ガイド付き「百花繚乱」展オンラインツアー」を開催を決めた。Zoomを活用し、特任研究員の三戸信惠さんがツアーガイドとなり、展示室内を撮影した動画や作品スライド画像を交えながら、花の絵の歴史や見方などを紹介していく。参加者からの質問タイムも予定する。開催日時は5月2日(日) 14:00〜15:30/20:00〜21:30、5月5日(水・祝) 14:00〜15:30/20:00〜21:30の計4回。ツアー参加料金は1500円、図録付きの場合は3000円(イベント終了後に発送)。各回定員は50人まで。
さらに5月8日には、山崎妙子館長(※「崎」は正しくは「立さき」)による特別解説「ようこそ山種美術館へ!」も開催。Zoomを利用し、開館55周年を迎える山種美術館の成り立ちから、コレクションの特色や所蔵する名画まで、同館の魅力を館長が紹介していく。日時は5月8日(土)14:00〜15:30。参加料金は1500円。定員は100人まで。
そのほか、同館では4月21日より収蔵作品を観賞し学べるゲーム「日本の名画みっけ!」をリリース。NTTドコモが運営するスマートフォン・タブレット向けサービス「スゴ得コンテンツ」の「Get!!プチアプリ for スゴ得」内で利用できる同コンテンツは、同館が所蔵する作品の中から、一日一問、問題が出題。問題画面で指定された部分が作品のどこにあるかを見つけるというシンプルなゲーム。全てを見つけると、作品全図とともに作品と作者についての詳しい説明と情報が見られるという趣向だ。
「スゴ得コンテンツ」の利用料は月額418円。初回から31日間はお試しとして無料で楽しめる。また、ゲームページ内の割引画面の提示で、山種美術館の入館料が100円引きになる特典も実施している。まずはゲームで名画に触れ、緊急事態宣言解除後に美術館に出かけ、実物を鑑賞するのも新しい楽しみ方といえそうだ。
○緊急企画!GWはおうちで美術館を楽しもう
・ガイド&特典付き 山種美術館「百花繚乱」展オンラインツアー(5/2、5/5)
https://yamatanegw202102.peatix.com/
・山崎妙子館長による特別解説「ようこそ山種美術館へ!」(5/8)
https://yamatanegw202101.peatix.com/
○日本の名画みっけ
・スゴ得コンテンツ https://www.dcm-b.jp/cs/cpsite.html?id=01cpn076001
○公式
・山種美術館 https://www.yamatane-museum.jp/
2.太田美術館で「オンライン展覧会」開催中!
続いて、もう一つが原宿駅にほど近い浮世絵専門美術館「太田美術館」(渋谷区神宮前1-10-10)だ。東邦生命保険相互会社の社長・五代太田清藏氏(1893〜1977)が蒐集した浮世絵コレクション約12,000点をもとに、1980(昭和55)年に開館。五代太田清蔵が集めた約12,000点を含めた約14,000点を収蔵する同館には、喜多川歌麿や葛飾北斎、歌川広重ら、日本を代表する浮世絵師の代表作のほか、始まりから終焉まで浮世絵の歴史を網羅。さらに版画と肉筆画両方の作品を数多く所有し、世界有数のコレクションとして知られる。
今年のGWでは、源義経、明智光秀、西郷隆盛ら、戦に負けて落ちぶれていく歴史上の敗者たちを描いた浮世絵に焦点を当てた展覧会「江戸の敗者たち」(4/15〜5/16)が開催予定であったが、山種美術館と同じく緊急事態宣言解除まで臨時休館を余儀なくされている。
コロナ禍で美術館鑑賞が楽しめない状況の中、太田記念美術館では「江戸の敗者たち」展のオンライン展覧会をスタートさせている。オンライン展展覧会では、文章、写真、イラスト、音楽、映像などの作品を配信するウェブサイト「note」を利用し、展示作品全61点の画像および作品解説を閲覧できる。作品画像もクリックすることで拡大でき、作品のディテールもオンラインを通じてじっくり楽しめる。
料金は入館料と同じ800円。一度オンラインで購入すると、無期限で時間を問わず、いつもでどこでも何度でも同展を鑑賞できるため、図録感覚で購入しても良さそうだ。
日本人でありながらも、江戸時代、近代の日本画にじっくりと向き合ったことのない人もきっと多いだろう。GWはオンラインでアートに親しんでみてはいかがだろうか。
オンライン展覧会「江戸の敗者たち」
○開催:2021年4月15日(木)〜5月16日(日)
○官方:http://www.ukiyoe-ota-muse.jp/
○オンライン展覧会:https://otakinen-museum.note.jp/n/nfcb91126c653
○費用800日元