東急東横店の解体工事を控え、今秋に渋谷駅が大きく変わる!
10月から本格的に始まる「東急東横店西館・南館」の本格的な解体工事を控え、長い歴史を持つ店舗の閉店や移設、乗り換えルートの大幅な変更など、渋谷駅が大きく変わる。
なぜ、この時期かといえば、本来は今夏に東京オリパラ開催が予定されていたことから、3月31日で閉店した東急東横店西館の跡地を「渋谷エキスポ」としてリニューアルを行い、4月から9月まで物販や文化・情報発信、観光案内、食イベントなどを賑やかに実施する計画があった。
85年の歴史を持つ東横店の有終の美を飾るのにふさわしい花道が用意されていたが、残念なことに想定外の事態に見舞われ計画は幻に終わった。
東京オリパラもなく、コロナ禍の中で、東急東横店西館・南館は静かに解体工事へ向かうことになる。さて、本格的な解体工事に向けて、9月25日・26日を境に渋谷駅が大きく変わろうとしている。一体何が変わるのか、具体的に見ていこう。
|1.渋谷マークシティ方面からJR渋谷駅を結ぶ「西口連絡通路」新設へ
現在、京王井の頭線からJR渋谷駅中央改札や東京メトロ・銀座線スクランブルスクエア方面改札に接続するためには、渋谷マークシティの連絡通路を経由しJR山手線渋谷駅玉川改札を抜け、しぶそば手前の大階段を昇って向かう。ところが、玉川改札も、しぶそばがあるのも西館・南館にあるため、解体工事が始まる前にこの通路を閉鎖する必要がある。そうなれば、通勤や通学などの乗り換えに同ルートを使っている人にとっては、大きな問題が生じる。
そこで9月26日初電から、渋谷マークシティの連絡通路とJR山手線中央改札方面を直接結ぶ空中デッキ「(仮設)西口連絡通路」と、渋谷フクラス方面を結ぶ「渋谷フクラス接続デッキ」が開通する。
渋谷マークシティの連絡通路には、岡本太郎の巨大壁画「明日の神話」が設置されているが、東急東横店西館に接続する手前、絵の下に新たな開口部を設け、西口連絡通路への出入り口となる。西館・南館を通らない新たな迂回動線が生れることになる。
|2.玉電の名残、JR山手線・渋谷駅玉川改札が閉鎖へ
「(仮設)西口連絡通路」「渋谷フクラス接続デッキ」の開通に伴い、西館・南館への動線および、西館2階に接続する「JR山手線玉川改札」も完全に閉鎖される。
「玉川改札」の名称は、かつて山手線改札口の向かい側に路面電車「玉川電車(玉電)」の改札口があったことから、名づけられたもの。1969(昭和44)年に玉電は廃止されるが、玉川改札口の名称はその名残として継続されてきた。
今回の西館の解体工事に伴い、長年親しまれてきた「玉川」の名称も消える。9月25日(金)の終電で、西館の前身である「玉電ビル」が完成した1937(昭和12)年から数えて、83年間にわたる歴史に終止符が打たれることになる。
|3.63年の歴史を持つ渋谷地下商店街「しぶちか」大規模改装へ
渋谷駅に直結する渋谷地下商店街「しぶちかショッピングロード(しぶちか)」。その歴史は戦後、焼け野原となった渋谷駅周辺で商売を行っていた露天商から始まる。当時、日本を占領していたGHQの指示により、駅周辺に集積していた約400近くの露天商の移転が行われ、飲み屋街は「のんべい横丁」、洋品や雑貨店などは「しぶちか」となった。1957年12月11日、地下通路の両側に約2坪ほどの小さな店が63店舗(現在は26店舗)が軒を連ねる地下商店街として開業。移り変わりの早い流行の地である渋谷の中にあって、開業から変わらぬスタイルで営業を続ける昭和感が漂うお店も多く、長年通う常連も少なくない。
東急東横店西館の解体工事を控え、しぶちかも9月いっぱいで一旦すべての店舗が閉店する。というのも、しぶちかの各店舗の電気などのインフラは、西館から引っ張って使っているため、今回の西館解体に伴い、しぶちかのインフラを独立させる工事を行う。さらに老朽化が進む施設の中で、地震や豪雨などの災害対策に対する整備も行われる。同時に工事が進む「東急フードショー」とともに、来年7月頃にグランドオープンを行う予定だという。9月25日まで、しぶちかでは「売りつくしセール」を実施している。
|4.青ガエル跡地に新観光案内施設「シブハチボックス」誕生へ
渋谷駅前ハチ公広場のシンボルといえば、「忠犬ハチ公像」。さらにその向かいには、つい先日まで「東急5000系車両(通称=青ガエル)」が設置されていたが、ハチ公の故郷である秋田・大館へ移設された。
そのため、青ガエルがあった場所に大きなスペースが空いたが、その跡地に10月から新観光案内施設「SHIBU HACHI BOX(シブハチボックス)」が誕生することが決まった。
今まで青ガエルも、外国人観光客向けの観光案内所として活用されてきたが、新たなスペースでは「観光案内スペース」に加え、再開発情報などを伝える「まちの情報発信スペース」、企業スポンサーによる「PRスペース」の3つの機能で運営を行う。同所の運営費になるPRスペースでは、NTTドコモが最新のテクノロジーを使った映像コンテンツなどを展開していくという。
Editorial department · Fuji Itakashi
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