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東京都写真美術館ホールで「バウハウス100年映画祭」 世界に影響を与えたバウハウスとは?

建築やデザイン、アート、写真などの分野で世界に影響を与えた「バウハウス」関連作品を集めた上映企画「バウハウス100年映画祭」が8月8日〜8月28日まで、恵比寿・東京都写真美術館ホールで開催される。

バウハウスは1919年、第一次大戦後のドイツで芸術と技術の新しい統合を目指し創設された学校。創始者は、近代建築の四大巨匠の一人とされるドイツも建築家ヴァルター・グロピウス、3代目校長には20世紀のモダニズム建築を代表する建築家ミース・ファン・デル・ローエが務めたことでも知られる。独自の教育システムを作り上げ、現代美術の分野で大きな革新をもたらすが、ナチスの台頭に伴い、わずか14年間で閉校を余儀なくされた。スイス出身の画家パウル・クレー、ロシア出身の画家ワシリー・カンディンスキー、ハンガリー出身の写真家ら―スロー・モホイ=ナジ、スイス出身の芸術家ヨハネス・イッテンら豪華な講師陣をそろえ、美術家のヨゼフ・アルバース、建築家・家具デザイナーのマルセル・ブロイヤー、デザイナーのマックス・ビルら新しい才能を数多く輩出している。

昨年バウハウス開校から丸100年を迎え、日本全国で展覧会や関連イベント等が実施され、クライマックスとなる巡回展「開校100年 きたれ、バウハウスー造形教育の基礎―」が7月17日〜9月6日まで、東京ステーションギャラリーで開かれている。その最後の展覧会に合わせ、同映画祭が東京都写真美術館で開催されることが決まった。

▲『バウハウスの女性たち』より。男性優位の中で、バウハウス躍進に貢献した女性たちにフォーカスした作品

上映作品は計7作品。当時の学生たちの証言や貴重な記録から、バウハウスがたどった激動の道と知られざる物語が明かされるドキュメンタリー『バウハウス 原形と神話』(1999・2009年/ドイツ/103分)、男性優位のバウハウスの中で、影の存在となった女性たちの実像に迫る『バウハウスの女性たち』(2019年/ドイツ/44分)と、当時の学校の記録や知られざる真実を紹介するもの。
▲『ファグスーグロピウスと近代建築の胎動』より。写真は1911年、バウハウス創設前にグロピウスが手掛けた「ファッグス靴型工場」。100年以上を経た現在も、工場として稼働している。

バウハウス創始者グロピウスが手掛け、世界遺産になったモダニズム建築の傑作「ファグス靴型工場」の歴史を追う『ファグスーグロビウスと近代建築の胎動』(2011年/ドイツ/27分)、バウハウス校長に就任するミース・ファン・デル・ローエの建築思想を迫る『ミース・オン・シーン』(2018年/スペイン/58分)、彫刻家・画家・建築家・デザイナーなど幅広く活動したマックス・ビルの激動の人生を追った『マックス・ビルー絶対的な視点』(2008年/スイス/94分)と、バウハウスに関わる芸術家たちの作品や人生を紹介するもの。

▲映画『バウハウス・スピリット』より。

さらにバウハウス出身の写真家ラースロー・モホイ=ナジが、1937年に米・シカゴで開校した「The New Bauhaus Chicago(ザ・ニューバウハウス シカゴ)」にフォーカスしたドキュメンタリー『ニュー・バウハウス』(2019年/アメリカ/89分)、スウェーデンの教室も時間割もない学校や南米スラム街の住環境改善など、現代に生きるバウハウス精神を映し出す『バウハウス・スピリット』(2018年/ドイツ/52分)と、バウハウス閉校以降、世界各国でその精神がどう息づいているかを紹介する作品など、多面的な視点からバウハウスが残した功績や影響を振り返る。

100年の節目を迎えたバウハウス。今なお、建築やデザイン、アートも分野に影響を与え続けるバウハウスが一体何だったのか、貴重な映像を通じて考えてみてはいかがだろうか。

バウハウス100年映画祭
○開催:2020年8月8日(土)〜8月28日(金)
○会場:東京都写真美術館ホール(恵比寿ガーデンプレイス内)
○配給:トレノバ
○公式:https://trenova.jp/bauhaus/
○上映作品ラインナップ(7作品5プログラム)
Aプログラム『バウハウス 原形と神話』
Bプログラム『バウハウス・スピリット』『バウハウスの女性たち』
Cプログラム『ミース・オン・シーン』『ファグスーグロピウスと近代建築の胎動』
Dプログラム『マックス・ビルー絶対的な視点』
Eプログラム『ニュー・バウハウス』
○料金:
前売特別鑑賞券2回券:2,600円
当日券(各プログラム):一般1,800円/学生1,500円

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