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渋谷ジャムセッションVol.8
ピアニスト・森村献さんインタビュー

 前回の『渋谷ジャム・セッション』の最後で告知したアルバム『森村献/マンテカ』が、いよいよこの18日に発売となる。森村氏は『オルケスタ・デル・ソル』『熱帯ジャズ楽団』etc日本を代表するラテンバンドで活躍するピアニスト。ここ30年間の日本ラテン音楽シーンを牽引してきた人物だ(写真1)。

  今回の日記では、森村氏自らにアルバムについて、そして自身と渋谷との関わりについて語ってもらった。
「渋谷と僕の音楽との関わりはホントに昔から続いてるんだよ。ロック少年だった高校生の頃、今は無き『ジァンジァン』なんてライブハウスにロックを聴きにいってたもんだよ。そうそう、1979年に渋谷109がオープンしたんだけど、そのTVCM用の音楽のアレンジを担当したのが僕なんだ。当時まだ25歳だったんだよな」

 いきなり面白い話が飛び出してきた。それ以来20余年、氏と渋谷との音楽的関りはさらに深いモノとなった行く(写真2)。
「オルケスタ・デル・ソルの活動をスタートしたのも79年だね。当時、サルサをやっているミュージシャンなんて全くいない状況で…。ペッカー(per)なんかと一緒になって必死でアレンジの修行をしたもんだよ。活動の初期から『原宿クロクダイル』でライブを続けて、この28年間で恐らく200〜250回は出演してるんじゃないかな」
一つのバンドによるクロクダイル出場200回は恐らく同所の最多出場記録だろう。新作『マンテカ』は渋谷ではどこで購入できるのだろうか。
「『タワー・レコード』『HMV』が中心になるよね。この2店鋪はラテン音楽が強いから。渋谷といえばワールド・ミュージック専門店『エル・スール・レコード』なんかもあるよね。アルバムの内容は、ラテン音楽を好きな人も、あまり関心が無いって人も楽しめる出来になっている。タイトル曲の『マンテカ』はラテン・ジャズの超スタンダード。タイトルは知らなくても、メロディを聴けば多くの人が“ああ、この曲知ってる”って思うハズだ。この曲は神保彰(カシオペアetcで活躍した日本を代表する名ドラマー)と本田雅人(Tスクエアetcでの活動歴を誇るフュージョン・シーンを代表するサックス奏者)のプレイを最初からイメージしてアレンジして、彼らもそれに応えて最高の演奏を披露してくれたよ」

 同アルバムは森村献の様々に変化するピアノプレイのみならず、豪華客演陣も魅力となっている。神保、本田のフュージョン・スター・プレイヤー以外にも、外山明(ds)、都筑章浩(per)ら、ジャズ、ラテン界の実力派が多数結集してサウンドの足場を固めている(写真3)。
「ここ3〜4年の間に、お蔵入りになってしまった曲がけっこうあったんだよね。そのお蔵入りになった理由というのが、サウンドのクオリティとは全く無縁のところから発生したものだったから、このまま楽曲を眠らせてしまうことが自分として納得出来なかった。

“何とか発表の場を作らねば”というのが、『マンテカ』制作のきっかけになったんだ。このアルバムは、料理に例えるなら一品料理ではなく、小鉢で様々な料理が出てくるコースメニューのような作りになっている。何度も聴いてもらって、曲ごとの様々な“味”を楽しんでもらいたいね」(写真4)  

森村献オフィシャルサイトはこちら   

ゲストブロガー/高橋 慎一(たかはし・しんいち)さん
東京工芸大学短期大学部 写真応用学科卒。98年よりフリーランス・フォトグラファーとして独立。現在、雑誌・書籍・CDジャケットなどで活躍中。また、ライターとして音楽関係、海外紀行、ドキュメント記事等を雑誌や書籍で精力的に執筆。著書『キューバ・トリップ ハバナ・ジャム・セッションへの招待』(産業編集センター・刊)

高橋 慎一 公式サイト

インタビュー記事(2006年6月2日)

高橋慎一(フォトグラファー)

98年よりフリーランス・フォトグラファーとして独立。現在、雑誌・書籍・CDジャケットなどで活躍中。また、ライターとして音楽関係、海外紀行、ドキュメント記事等を雑誌や書籍で精力的に執筆。

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