2020.05.27

緊急事態宣言解除で動き始める渋谷　大型商業施設の営業再開日も発表

4月7日の「緊急事態宣言」発令から約1カ月半。ようやく宣言が解除され、各商業施設や文化施設が再開に向け動き始めている。店舗やオフィスの再開で、渋谷の街に戻ってきたという人もきっと多いことだろう。久々の渋谷の印象はどうだろうか？自粛生活の間も、テレビをつければ、連日ニュースやワイドショー番組で渋谷スクランブル交差点周辺の人流減少の様子がライブ中継されていて、そう遠ざかっていた感じがしないというのが率直な感想だろう。ある意味、渋谷スクランブル交差点は、日本全体の「接触8割減」達成の一つのバロメーターとなっていた。渋谷の人出が減少すれば多くの人々の安心につながり、人出が増え始めれば気の緩みを実感する、きっとそんな視覚効果を担っていたのではないだろうか。

NTTドコモ「モバイル空間統計」によれば、「緊急事態宣言」発令以降、渋谷センター街付近の人流は感染拡大前と比べて6〜7割も減少し、8全国の繁華街の中でもかなり高い減少率を示していた。渋谷スクランブルスクエアや渋谷ヒカリエ、渋谷西武、渋谷モディ、渋谷パルコなど……、渋谷駅周辺には10以上の大型商業施設が集積している。高い減少率の背景には、こうした大型商業施設の一斉休業措置が功を奏した結果といえるだろう。一方で、日本百貨店協会によれば、4月の売上高は前年同月比72.8％減で過去最大の減少を記録し、経済的な打撃は言うまでもない。かつての賑わいを取り戻すのはそう容易なことではないが、自粛要請の段階的な緩和と共に、渋谷の街の活気が徐々に戻ることを期待したい。

宣言解除翌日5月26日の渋谷の街の動きを写真で見てみよう。

だいぶ人出が増えたが、まだ大型商業施設の休業、リモートワークを続ける企業も多く、渋谷スクランブル交差点周辺は、本来の賑わいの半分以下という印象。

コロナ以前は観光客の記念撮影が引っ切り無しだった忠犬ハチ公像周辺も、今は静かである。

コマーシャル・シティである渋谷は「屋外広告」の街ともいえるが、緊急事態宣言以降、 SHIBUYA109をはじめ、各ビルのビルボードに「空白」が目立っている。広告主側の自粛のほか、人流が減少して広告効果が見合わないという判断もあるのかもしれない。

通常の屋外広告が減少傾向にある一方、「医療従事者の皆様　ありがとう　＃LightItBlue」（三千里薬局のグリコビジョン）など、コロナ禍ならではのメッセージ広告などは増えている。
渋谷センター街も人はまばら。コロナ以前との大きな変化は、各飲食店がテイクアウト販売を始めたこと。
Ｗithコロナ時代、密を避けた「新しい生活様式」として飲食店のテイクアウト、デリバリーは必須となった。