“HELLO neo SHIBUYA”って何だ?
11月なってから、渋谷駅周辺でやたらと見かける“HELLO neo SHIBUYA”の文字。 巨大なフラッグだったり、ポスターだったり、デジタルサイネージでもよく見かける。
一体、この“HELLO neo SHIBUYA”とは何なのだろうか?
実はこれ、「渋谷のまちびらき」のテーマなのだそうだ。渋谷駅周辺は2027年まで、100年に一度と言われる大規模な再開発工事が行われている。が、五輪を翌年に控えた今秋は、渋谷スクランブルスクエア(11/1開業)、渋谷PARCO(11/22開業)、東急プラザ渋谷(12/5開業)と大型商業施設の開業ラッシュが続き、再開発工事の大きな節目を迎える。そこで「新しい渋谷の魅力が次々に生れる」このタイミングを「まちびらき」と見立てて、まち全体で盛り上げていこうというキャンペーンとなる。協賛企業には、駅周辺の基盤整備等を担当するUR都市機構、渋谷駅前エリアマネジメント協議会、日建設計、東急ガス、東急、東急不動産、PARCOなど。各商店街が特別協力、渋谷区が後援につくなど、まさに街ぐるみの取り組みといえるだろう。
では、「新しい渋谷」のまちびらきなのに「NEW SHIBUYA」ではなく、なぜ「NEO SHIBUYA」なのだろうか?
NEOはギリシャ語で「新しい」を意味する言葉であるが、英語で使う場合は「ネオクラシック」「ネオファシズム」「ネオ・ダダ」「ネオロマンティシズム」など、別の単語とくっつけて接頭語として用いられる。newとの違いは、newが「かつてないもの」「全く新しいもの」を意味しているのに対して、neoの場合は「昔からあるものを踏襲し、さらに進化や変化を加えたもの」を意味している。要するに「NEO SHIBUYA」とは、全く新しい渋谷に生まれ変わるわけでなく、「今までの歴史やカルチャーなどを踏襲しながら、さらに進化した渋谷をお見せします」というメッセージを込めたものといえる。
また、もう一つは、大友克洋さんの漫画作品「AKIRA」だ。新生「渋谷PARCO」の建設中に仮囲いにアートウォールとして「AKIRA」の作品シーンが描かれて大きな話題になったが、今から37年前の作品ながら、2020年の東京オリンピックを翌年に控える2019年の東京を舞台にした設定は、現在の私たちの境遇と見事にシンクロする。新型爆弾で巨大都市が崩壊した後、新首都として誕生したのが「NEO TOKYO(ネオ東京)」であった。「NEO SHIBUYA」はそれを意識した遊び心に富んだネーミングともいえるだろう。
さて、そんなうんちくの詰まったテーマであることが分かったが、実際にところ、何をやるのだろうか?
“HELLO neo SHIBUYA”のキャンペーンの一環として、11月、12月の2カ月間にわたって渋谷のまち全体で「まちびらきイベント」が開催される。主なイベントは、道玄坂、ハチ公前広場、宮益坂、渋谷川、さくら坂、中央街、公園通りなどで実施されるイルミネーション「SHIBUYA WINTER ILLUMINATOIN 2019〜2020 COLLECTIONS」(11月5日〜12月31日)や、渋谷ストリーム、渋谷川沿いの遊歩道「渋谷リバーストリート」で実施されるアートイベント「STREAMing VIBES」(10月26日〜12月25日)、総勢50人の若手クリエーターが「渋谷」をテーマにした作品を制作し、カフェやギャラリー、商業施設など渋谷の街の様々なスペースに展示を行う「シブカル祭。2019」(11月1日〜12月31日)など、イルミやアートイベント。 さらに異色なところでは、渋谷スクランブルスクエアや渋谷フクラス、渋谷パルコ等、新しい商業施設などでポケモンと一緒に写真撮影するフォトコンテスト「『Pokemon GO』 ARフォトコンテスト」(11月28日〜12月25日)など、渋谷のまち全体を使った回遊イベントが目白押しだ。
★“HELLO neo SHIBUYA“公式サイト:https://helloneoshibuya.jp/
渋谷スクランブルスクエア、渋谷フクラスの開業で駅周辺の歩行者デッキやアーバンコアも整備され、以前に比べて乗り換えや移動がしやすくなった。また、しばらく静かだった公園通り側も渋谷PARCOの開業で、きっと新たな人の流れが生まれ賑やかになることだろう。徐々に寒さが深まる季節を迎えるが、しっかり防寒をして「新しくなった渋谷のまち歩き」を楽しんでみてはいかがだろうか。
編集部・フジイタカシ
渋谷の記録係。渋谷のカルチャー情報のほか、旬のニュースや話題、日々感じる事を書き綴っていきます。