渋谷と代官山間を結ぶ「猿楽橋」架け替え計画 意見募集中
現在、並木橋交差点から八幡通り(都市計画道路補助第 20 号線)を代官山方面に向かう途中にある、JR山手線・埼京線の渋谷駅と恵比寿間にかかる「猿楽橋」の架け替え計画が進んでいる。
あの橋を「猿楽橋っていうだ」と改めて名称を知った人も多いことだろう。
同橋がかけられたのは、1934(昭和9)年。渋谷駅前の再開発工事で2013(平成25)年に閉店し取り壊された「東急東横店東館」がオープンした年と同じだ。竣工から85年を経て老朽化が進み、安全性も懸念されることから、2016(平成28)年に有識者を中心に「猿楽橋検討会」が組織され、様々な可能性を探りながら検討を行ってきたという。
施工期間及び概算事業費の想定は、施工期間が10年以上、概算事業費が約80億円を見込む。とはいえ、架け替え案にも問題点がある。線路にかかる橋であるため、工事は鉄道運行に支障を与えない終電後から始発までの数時間に限られ、工事が長期間にわたる。その間、橋が全面通行止めになることが予想され、周辺の居住者や商店などの生活に大きな影響を及ぶす可能性があるのだ。同橋の交通量は、自動車が1日15,000台、歩行者が4,000人、自転車が1,300台を数え、代官山から渋谷、青山方面をつなぐ重要な交通インフラとしての役割を担っているため、工事がそう容易ではないことがうかがえる。
現在、架け替え案で進んでいるが、この数年間、検討会ではそれ以外の方法もいくつか検討されてきたそうだ。
例えば、「長寿命化案(補強案)」や「仮橋本設案(現在の橋とは別の位置に仮橋を作り、最終的にそれを本設にする案)」「アンダーパス案(橋ではなく地下通路案)」「廃止案(長期全面通行止めなら一層のこと廃止してしまう案)」など。しかしながら、補強案は一時しのぎにすぎず、また仮橋本設案やアンダーパス案も新たな用地買収等が必要となり、架け替え以上の時間とコストがかかることから断念。さらに代官山―渋谷―六本木方面をつなぐ重要な交通インフラである点や、防災機能等を考えても、廃止という選択はないという結論に至ったという。
老朽化が進む猿楽橋の架け替えはほぼ決定的であるが、この橋を日々使う生活者にとっては悩ましい問題だ。現在、渋谷区では「猿楽橋長期計画(案)」に関して、渋谷区在住・在勤・在学の方、渋谷区内事業者・法人・団体などから、パブリックコメントとして広く意見を郵送やEメール、FAX、持参等で募集している。期限は10月30日まで。
何か意見がある方はこの機会に。
★猿楽橋長期計画(案)パブリックコメント募集について(渋谷区)
編集部・フジイタカシ
渋谷の記録係。渋谷のカルチャー情報のほか、旬のニュースや話題、日々感じる事を書き綴っていきます。