そよ風に春を感じる季節。この時期、心機一転して、何かの専門知識を身に付けたい、新しい自分を発見したい、新しい仲間をつくりたい、などと前向きな気持ちになっている人も多いのでは。そこで今回の特集では、自分の興味やレベルに応じてさまざまな講座が用意されているカルチャースクールや、渋谷ならではの個性的なお店で学べる講座についてご紹介します。多様なカルチャーが集積し、個性的な人々が集う渋谷は、遊び心をたっぷり持って「学ぶ」にはぴったりの「学び場」です。
映画館や書店、公園など、渋谷の街中のショップや施設で授業を行う「シブヤ大学」が2006年9月に開校しました。そのコンセプトや授業の魅力、今後の展望などを学長の左京泰明さんに聞きました。
--「シブヤ大学」というアイデアはどのように生まれたのでしょうか。
渋谷の街全体をキャンパスにして学んだら面白いのではないか──。それがシブヤ大学の発想の原点です。渋谷では、音楽や映画、ファッションをはじめ、つねに新しいカルチャーが生み出され、個性的な人たちが集まっています。考えてみれば、これはとても貴重な“学びの資源”なのですね。ライブハウスやカフェ、書店、映画館、公園など、街中の施設やショップを教室にして、クリエーターやIT企業の経営者など、さまざまなジャンルのプロから教えを受けられるとしたら、多様なカルチャーが集積する渋谷ほど適した街は考えられません。これまでには、レコードショップのフロアを借りてミュージシャンから「ヒューマンビートボックス」のやり方を教わったこともありますし、割烹を教室にして道玄坂で伝統文化を受け継ぐ芸者さんから芸者文化の手ほどきを受けたこともあります。渋谷には新旧さまざまな文化が息づいているのです。
--授業はどういった方にお願いするのですか。
シブヤ大学の“先生”は、こちらから依頼することもあれば、自薦や他薦のケースもあります。みんなが“学びたい”と思うことを教えられる人であれば、誰でも先生になり得るのです。そして、ある授業では先生だった人が、別の授業では生徒になる。そのようにして渋谷を舞台にした学び合いのネットワークを築いていきたいと思っています。
--「シブヤ大学」ならではの魅力とは?
これは都会であれば当然かもしれませんが、渋谷の街には若者を中心の多くの人々が行き交っているのに、誰かと知り合う機会は意外と少ない。その点、シブヤ大学では“学び”をフックとして、世代や立場の異なる生徒同士が知り合うことができます。同様に、先生と生徒の間にも交流が芽生えます。たとえば、以前、原宿のお箸専門店「夏野」の店主からお箸にまつわる文化を学んだことがありました。普段は、店員と客である関係が、授業では先生と生徒になる。すると、授業に参加した人は、その店主を訪ねてお店に立ち寄ってみたくなりますよね。こうして渋谷の街を媒介として新しい交流が生まれていくのです。
--今後の展望などを聞かせていただけますか。
シブヤ大学は2006年9月に開校したばかりの新しい取り組みです。今後は教室で講義を受けるだけでなく、何かのテーマを掘り下げて研究・調査する「ゼミ」、フットサルやバスケットボール、将棋などを通じて交流する「サークル」など、新しい活動も続々と立ち上げていく考えです。シブヤ大学はいろんな人の声で作り上げていくものなので「こんなことを学びたい」「こんなことをしてみたい」というテーマがあれば、ぜひお寄せいただきたいと思います。そのうち「学生寮」や「学食」、「生協」なんかも作ってみたいですね(笑)。
■シブヤ大学
2006年9月開校。渋谷の街中のショップや施設を教室として、さまざまなジャンルについて学ぶ取り組み。毎月第3土曜日を中心に授業を実施。各授業の「参加対象」に当てはまる人であれば、基本的に誰でも受講できる。“先生”も募集中。
>>公式サイトはこちら
※申し込みは締め切りの場合がありますので、事前にご確認ください。
|
|
|
カフェ、ギャラリー、本屋さんなど、個性的なショップが開催するワークショップや体験教室では、渋谷の至る所が「学び場」に。初心者歓迎のものから本格的なものまで、興味があれば気軽に参加できるのが「渋谷的習いごと」の魅力です。
お問い合わせ: 03-5468-3618 |
|
お問い合わせ: 03-6418-8143 |
|
お問い合わせ: 03-5485-0503 |
|