多様な文化を創造し続ける渋谷のDNA
渋谷の発展は、渋谷駅を中心とした高低差のあるすり鉢上の地形を抜きに語れません。現在は多くの部分が暗渠化している渋谷川(現・キャットストリート〜渋谷駅付近〜恵比寿駅付近)や、その支流である宇田川(現・渋谷センター街付近)、さらには中心より放射線状に伸びる道玄坂や宮益坂、公園通りを中心に繁華街が集積しています。
戦後すぐに、渋谷駅前には多くの市などもありましたが、昭和31年(1956年)には、映画館や美容室など、当時の最先端文化施設を集積した東急文化会館が渋谷駅東口にオープンしました。屋上に開設されたドーム型の五島プラネタリウムは開設当初より、高い人気を誇りました。昭和39年(1964年)の東京オリンピック開催に向けては、建築家・丹下健三氏の設計によるモダニズム建築の傑作・代々木体育館が建設されました。現在では体育館のある代々木公園には休日ともなるとストリートライブ、パフォーマンスなど若者の表現の場となっています。高度成長期の昭和48年(1973年)、愛宕山にあったNHK放送センターが渋谷に移転してきました。それにより多くの放送業界関係者や音楽業界関係者も渋谷周辺に移ってきたとも言われています。
昭和48年(1973年)には、「すれちがう人が美しい 渋谷=公園通り」をキャッチフレーズに掲げ、西武劇場(現・パルコ劇場)が併設された渋谷パルコがオープンしました。その後、センター街からパルコへと続く動線「スペイン坂」が誕生するなど、地域一帯がファッションの街へと変化を遂げました。その後、渋谷各所に個性的なセレクトショップが点在するようになり、渋谷のファッションの幅を拡げていました。また昭和54年(1979年)には渋谷のランドマークのひとつともなっているSHIBUYA 109がオープンして、ティーンを中心に全国に大きな影響を与えています。
昭和56年(1981年)には、宇田川町にタワーレコードがオープン、その後、渋谷周辺は世界一と言われるほどの規模で、大小のアナログレコード店が集積するエリアとなりました。それにともない、円山町をはじめとして、いたるところにライブハウスやクラブが集積するようになり、渋谷は音楽の一大メッカとなりました。昭和57年(1982年)には桜丘町に初の本格的ミニシアター、ユーロスペースが開館、以後、渋谷は日本で最も多くのミニシアター集積エリアとなり、数々の個性的な名作を生み出すようになりました。
平成元年(1989年)には、東急百貨店本店横に大型ホールやミュージアム、ミニシアターなどを備えた複合文化施設Bunkamuraがオープンし、渋谷カルチャーの幅をさらに広げています。平成12年(2000年)渋谷マークシティ、平成13年(2001年)セルリアンタワーと大規模複合施設がオープンしました。この2施設は渋谷に不足していた滞在機能やオフィス機能を提供して、ビジネスマンやOL層を増大させ、来街者の世代的な幅を広げました。
平成15年(2003年)には、渋谷の顔の一つとも言われてきた東急文化会館が、多くの方に惜しまれつつ48年の歴史に終止符を打ちました。
SHIBUYA CULTURE PLATFORM 構想
渋谷のDNAを活かして独自の魅力を持つ街へ
東京急行電鉄は、渋谷が「世界中から人と心が集まり感動が生まれる、文化を創造する街」になることを目指し、ハード整備が牽引するような街づくりではなく、様々なクリエイティブコンテンツがリードする街づくり「Shibuya Culture Platform構想」を発表しました。音楽、映画、ファッション、アートなどの個性豊かな文化を創造する力は、渋谷のDNAとも言えます。
「SHIBUYA CULTURE PLATFORM 構想」は、そうした渋谷のDNAを最大限活かし、街全体で文化が創造されるプラットフォームとなることで、独自の魅力を持った街にすることを目指しています。地域・行政・企業の皆様と共に、創造の場、文化・情報発信の場、人が共鳴する場をつくりあげていく構想です。
WEBサイト「渋谷文化プロジェクト」は、「Shibuya Culture Platform構想」の一環として取り組むもので、「渋谷文化」の魅力を発信していくと共に、目指す街の姿を皆様と共に考えていくサイトを目指しております。
SHIBUYA CULTURE PLATFORM 構想の実現に向けた取り組み
■駅周辺開発
- 人間と自然が共生する新渋谷駅の開業
2008年6月に東京メトロ副都心線が開業し、2012年度には東横線と相互直通運転する予定です。駅空間は建築家・安藤忠雄氏による意匠設計です。
- 東急文化会館の跡地開発
2012年春、ミュージカル約2000席規模の劇場、エキシビションホールなどの文化施設と、東急百貨店、オフィスからなる地上34階、地下4階の高層複合施設が開業する予定です。
2009年7月8日渋谷新文化街区プロジェクト新築工事着手、2012年春開業予定(PDF・201KB)
- 渋谷開発計画
現在の渋谷駅の上部開発計画は、2012年度の東京メトロと東横線相互直通運転開始後に着手する予定です。
■街のブランディング
文化イベントなどによる情報発信力の強化、NPOなどのまちづくり活動との連携、文化創造を支援したり、街の魅力を伝える仕組みなど、文化創造の街実現に向けた街のブランディングに取り組んでいきます。
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