今春から当ウェブサイトでは、渋谷を拠点に活躍するキーパーソンと共に「渋谷のまち」について、じっくりと考えて語り合えるフォーラム「渋谷文化茶会」をスタート。2010年9月25日に開催された第2回では、子どもの頃に代々木公園の目の前に住んでいたというDJ TAROさん、ディープな渋谷に詳しい「散歩の達人」編集長 山口昌彦さん、渋谷ギャルのカリスマ ゆまち&愛奈さんをパネリストに迎え、「シブヤで遊ぶ。」をテーマに思う存分語っていただきました。日ごろの渋谷利用の目的から、現在の渋谷の遊び場で足りないもの、さらにはこれからの渋谷に期待することまで、ユニークな意見やアイデアが多数飛び出しました…。
※記事は約120分間に及んだ意見交換の中から、一部抜粋・編集したものを掲載しています。
- 「渋谷文化茶会 其ノ弐」開催概要
- 日時:
- 2010年9月25日(土)13:00〜15:00
- 会場:
- セルリアンタワー東急ホテル40階 タワーズバー「ベロビスト」
- 参加者:
- 90人
パネリスト
DJ TARO(ラジオDJ/サウンドプロデューサー)
CLUB DJのほか、サウンドプロデューサーとしてダンスミュージック等を手掛ける
[DJ TARO]公式サイト
山口昌彦(雑誌「散歩の達人」編集長)
大人のための街歩きの楽しさを指南するスペシャリスト
[散歩の達人]公式サイト
ゆまち&愛奈(ファッション誌「egg」モデル/アーティスト)
「渋谷 GAL's」プロデュースを担当するなど、渋谷ギャルのカリスマ
[ゆまち&愛奈]公式サイト
コーディネーター:
西 樹(シブヤ経済新聞編集長)
ニュースサイト「シブヤ経済新聞」の運営をする(株)花形商品研究所代表。
シブヤ経済新聞
西:今日は非常に幅広い世代のパネリストをお迎えしています。パネリストの皆さんには事前にアンケートに答えていただいて、それを基にお話を聞いていきます。
「住んでる横浜より、渋谷が好き」
西:ゆまちさん、愛奈さんたちのような若者が渋谷の街の中でどう動いているのか、意外と僕ら大人は知らない。若い人は一体どこにいるんだろういうことを、お二人に教えていただこうと思います。まず渋谷に来る頻度ですが、ゆまちさんは「週6」、愛奈さんは「週4」ということですが。
ゆまち:週によって変わるんですけど、仕事は渋谷が多くて。それで仕事が終わったら遊ぶとか、そういう感じ。
西:仕事と遊びがごっちゃになっている感じですか。
ゆまち:仕事も遊びも渋谷、住んでる横浜よりも渋谷が好き。落ち着くんですね、すごい。
愛奈:わたしも、ほぼ、ゆまと同じ。
「ニューヨークのDJもびっくり!何で日本にこんなものが・・・」
西:「3、4回」。これはTAROさんのお答えです。
DJ TARO:最近は減っていますが、レコード屋に行くことが多いです。ニューヨークとか海外から来たDJを渋谷に連れていくと、向こうで売ってないレコードが何でこんなに日本に売っているのかって驚かれます。音楽のために渋谷に来ることが多いですね。
西:じゃあ、HMVがなくなったっていうのは、ショックが大きかった?
DJ TARO:HMVがなくなる前から、シスコなど、いわゆる小さなアナログレコード屋さんが減ってきていましたね。これは時代と共に音楽を聴くスタイルがいろいろ変わってきたからっていうこともあると思うんですけど、いろいろお世話になったので寂しいですね。
「一人でプラネタリウム行ったりして、暗く孤独な渋谷を過ごしていました(笑)」
西:山口さんは「20年前、週3くらい…」。
山口:銀座線で高校に通っていたので、渋谷は乗り換えの駅として利用していました。帰り道に降りて遊んで帰るっていう感じで。地味な高校生だったので、レコードよりは本屋さん。三省堂行って、大盛堂行って、本屋さんをぐるっと回って何となく映画を観たり、一人でプラネタリウム行ったり。暗く孤独な渋谷を過ごしていました(笑)。
西:逆に考えれば、渋谷は一人でも楽しめる場所なのかもしれませんね。
山口:今、東急文化会館を建て直していますけど、当時1階には映画の予告編が流れる街頭テレビが置いてあったんですね。あれをぼーっと観て、今度は何を観ようかなと考えたり。晩ご飯の時間になると実家のある目黒まで自転車でチャリチャリと帰って…。
西:一人とは思えないような楽しさが感じられますね。
「90%はぶらぶらしている感じ、見えない所に行きたくなります」
西:次に4人の行動をウォッチしてみましょう。渋谷の利用目的をパーセントで聞いてみると「カフェなどの飲食=10%、ショッピング=10%、街をぶらぶら=80%」。かなり極端な利用目的ですが、これは?
山口:はい(笑)。仕事柄なんですけど。ショッピングは何かいい物があれば買う程度で、ほぼ90%はぶらぶらしてます。渋谷は地形が特殊じゃないですか。待ち合わせをするときに「着いたら電話してよ」っていうと、渋谷の場合は集まりやすいんだけど、銀座や新宿では目標を付けにくい。これは渋谷が「すり鉢状」の地形のため、その谷底を中心として移動しやすいから。 地形で言うと、起伏だけじゃなくて変化もありますね。例えば東急の本店裏だと円山側はラブホテルがあるのに、松濤側は高級住宅街。たった道1本隔ててるだけですよ、グラデーションで変わっているわけじゃなくて、これは本当に面白い。だから渋谷の中心部よりは割とすり鉢の縁(ふち)をぶらぶらすることが多いですね。ちょこちょこっと、ちっちゃいお店とか、ショップやレストラン、飲み屋も出来ていたりとかして、そういうのをつまみ食いするのが面白いです。
西:ぶらぶら歩く時に次にこっちに行ってみようという判断は、何が基準になっているんですか?
山口:真っすぐの道を歩いていても面白くないでしょう?だから見えない所に行きたくなります。渋谷は結構くねくねしているので、ここ、何だろうと踏んで入ると何かあったり。
西:ぶらぶら派にはお薦めの街ということですね。
山口:「散歩の達人」的には下町を期待されることが多いのですが、ぶらぶらには「渋谷」も結構いいですよ。
「ショッピング=48%、知り合いに合う確率も」
西:これはどなたでしょうか。「カフェ・飲食=30%」「ショッピング=48%」ライブ=7%」、「クラブ=3%」、「街のぶらぶら=12%」。
DJ TARO:はい、僕の仕事場は大体港区で住んでいるのが目黒なので、帰り道にちょうど渋谷を通りやすいんです。買い物はレコード、ファッション、あと楽器屋さん。駅の南側に結構楽器屋さんが固まっていて、そういうところに行くことが多いですね。待ち合わせにも便利だし、「元気? 久しぶり」っていう偶然の再会は、間違いなく渋谷が一番多いですよ。
西:渋谷は、知っている方に会う確率が高い?
DJ TARO:そうなんですね。その他の街に行ってもそんなにないんですけど、なぜか渋谷って、人自体がスクランブルする場所でもありますね。
西:名言ですね。
「見ているだけで楽しい、お店よりも人間観察」
西:「カフェ=10%」、「ショッピング=30%」、「映画=5%」、「クラブ=10%」、「街をぶらぶら=5%」、「その他仕事=10%」。かなり分散していますね。これはゆまちさんかな。
ゆまち:ゆまはクラブには遊びに行かないんで、「クラブ=10%」は仕事。愛奈と渋谷のアトムとか、キャメロットでライブのお仕事で。一応、結婚している身なので、遊びでクラブはいきません。
西:「街をぶらぶら」っていうのは?
ゆまち:人を待っているとき一人で適当に。マルキュー内でも、何を買うわけでもなくぶらぶらしてる。またセンターとかはおしゃれさんも多いので歩いていると参考になるし、勉強させられるんですね。だからお店よりも人間観察をしています。
西:それは地元ではできない?
ゆまち:地元だともうヤンキーしかいない(笑)。
西:今さらっと言いましたけど、ゆまちさんの世代はセンター街のことを「センター」って言いますよね。僕らの世代は「センター街」って言っちゃうんだけど。
ゆまち:ああ、そうなんですか。
西:若い人だとみんな、センター、センターって言うから。
ゆまち:センター、センター。
西:最初何だろうって思っていました(笑)
「カラオケで最初、30分ぐらいはしゃべってます」
西:愛奈さんは 「アート鑑賞」が入っていますね、20%。これ、どこのことですか。
愛奈:美術がすごい好きで、よく東急の下とかで何とか展とかやってるじゃないですか。前に、だまし絵展の広告が出ていて。そういうのに、よくお母さんと行きます。
西:エッシャーとか?
愛奈:友だちに観に行きたいって言ったらその子全く興味なくて。わたしが、行こう、行こうっていって連れてったら、その子超つまんなそうにしてて、ちょっと迷惑掛けちゃったみたい。
西:それからカラオケのウエートは大きいですね。
愛奈:はい。さっきもゆまと行ったんですけど、ちょっとでも暇があったら、「あ、これ、1時間半は行けるね」とかいって。
ゆまち:ぎりぎりまで。
愛奈:そこでご飯も食べるよね。
西:カラオケ屋さんでご飯も食べる?
ゆまち:もう完全個室なんで、誰にも邪魔されないし。
西:じゃあ、自分たちのちょっとした居間みたいな感じ。
愛奈:あ、完全、それです。居間。最初語って、よし、歌うかみたいな感じです。
西: 僕らの世代と使い方が全然違うんでしょうね。僕らが行くと、どうしても何か歌わなきゃいけないというイメージがあって、カラオケ屋さんで語るっていう経験はないですね。
愛奈:最初30分ぐらいはしゃべってます。
西:愛奈さんの利用目的は飲食もショッピングもアートもぶらぶらもあって、カラオケとかその他もあって、とても渋谷っぽいですね。
「神泉、百軒店、何か秘境感というですかね。冒険心をかきたてます」
西:次に出没ポイントを挙げていただきたいんですけど、山口さんの行動範囲をマーキングすると、大体は百軒店、道玄坂の方面?
山口:そうですね。さっきもお話したとおり縁が多いんですよね。だから百軒店とか、桜丘町。
西:(地図を見ながら)こちらのほうですね。
山口:後は宮益坂の辺とかですね。ほんとに端っこを、何か申し訳なさそうに歩いている感じっていうか(笑)。神泉なんかも渋い系のお店とかが多い。昔、神泉は花街だったところですが、当時の建物を使ったお店とか、戦前からやっているような古い居酒屋さんもあったり。一方で、その横に流行りのビストロがあったり、何か秘境感というんですかね。いつ行っても、冒険心をかき立ててくれます。
「Wi-Fiの使えるカフェ探し。あとは宇田川、神泉、神山町」
西: TAROさんは「レコードショップ」、それから「ロイヤルガーデンカフェ」がピンポイントで入っているんですけど、これはどのように利用されているんですか?
DJ TARO:ロイヤルガーデンカフェはハンズのちょうど向かい側で、2階にあるんですよね。
西:新しくできたホテルの?
DJ TARO:ですね。打ち合わせとか、仕事の空き時間にぼーっとしたり何か考えたり、いろいろ作業ができる自由なカフェで結構好きです。外から見るとあんまりカフェの存在は感じられないんですけど、2階に上がると、とっても開放的な場所。
西:へぇー。
DJ TARO:お一人さまの席のカウンターにも、何と一人1台ずつMacBook Proが置いてあって。僕、Wi-Fi使えるカフェを探すのが好きで、そこにいると他の人にも発見されず、自由に空間を楽しめるので、出没は宇田川近辺が多いですね。
西:ここから、あちこち動いているんですね。
DJ TARO:そうですね。宇田川、神泉、神山町辺り。神泉の飲食店はお世話になっている所もありますし、松濤中学に行っていたんで、同級生のおやじさんがいまだにやっているお店もあったり。神山町には僕の大好きな、包装をやってくれるお店がありますね。「包むファクトリー」っていう。
西:あ、ありますね。
DJ TARO:人に贈り物をするときに、ちょっとかわいいデコレーションをやりたいなと思うと、その包装屋さんに行きます。とってもかわいい包装で、下手するとプレゼントする物より包装のほうが高くなるという(笑) そういう店が、ぽつんぽつんとあって、当時、毎日通っていた通りっていうこともあって、その辺が好きなんですよね。
西:東口には出没することはありますか?
DJ TARO:出没しますよ。僕は家電好きな家電DJなので、まずは東口のビックカメラを拠点に(笑)。あと明治通りから裏側の神宮前のほうにも知り合いがやっている洋服屋さんがあったり。
西: TAROさんは行動範囲が非常に広いですね。
「マルキュー、吉野家、はなまるうどん…」
西:次はお二人の答えをちょっと合算して、SHIBUYA109、ロフト、センター街、egg編集部、カラオケ、もんじゃ屋さん。もんじゃ屋さんはかなりピンポイントですけど。
ゆまち:もんじゃ屋さんはゆまだね。それ以外は、たぶん愛奈と共通してると思うんですけど。まず「109」、これは絶対ですね。
西:これは絶対。
ゆまち:それでeggの編集部が神南1丁目。
西:(地図の)この辺ですね。
愛奈:あと、東口も行きます。その辺のカラオケ屋さんに。
西:じゃあ、ボーリング場の裏辺り。
ゆまち:あ、そのボーリング場の場所です。あそこがゆまたちの秘密基地です。
西:秘密基地なんですね。もう、きょうから秘密基地じゃない(笑)
ゆまち:きのうも、おとといも、もうエブリディ行ってます。きのうは満室で入れなくて、隣のカラ館のほうに逃げましたけど。
西:なるほどね。後はセンター街。マクドナルドの辺りまで?
愛奈:そうですね。そこから先はあんまり行かない。
ゆまち:後は、センターの「はなまるうどん」。それからその近くにある吉野屋、わたしはよく一人牛丼。
西:吉野屋?
ゆまち:はい、愛用してます。
西:行動範囲が結構狭いですね。さっき話聞いたら、道玄坂の場所が分からないんですね?
愛奈:分かんなかったです。
ゆまち:そうですね。スペイン坂は分かります。あと宮益坂も分かります。
西:公園通りは?
愛奈:分からないです。どこですか?
西:公園通りはパルコの前の、ここが公園通りです。道玄坂は、この109の横の所。ここの坂。
ゆまち:なるほど。それ、知らない人多いんじゃないですか。
西:どうですかね(笑)。109も、たぶん住所は渋谷区道玄坂ですよ。
ゆまち:あ、そうなんですね。
西:センター街を中心にして非常に狭いエリアで動いていますが、もうちょっと冒険してみようとか思いませんか?
ゆまち:遠い(笑)。
愛奈:そのエリアですべてできちゃうんですよ。
ゆまち:そうなんです。やりたいことが全部、満足ができる範囲で。
愛奈:ファッションもあるし、プリクラもあるし。ご飯も食べれるし。
ゆまち:はなまるうどんもある。
西:なるほどね。じゃあ、ここから出なきゃいけない理由がないんだ。
愛奈:そうですね。
西:なるほど。確かにちょっと外れに行くとセンター街で見るような若い子たちは見かけないですね。そっちに動いてないし、動こうともしてないんですね。
ゆまち:そう。ゆまと愛奈も、最近、やっと渋谷の東口のデビューをするようになって。
西:面白いです。
「若い人でも使いやすくて、敷居、バリアが全然ない」
西:遊び場としての渋谷の魅力について考えてみたいなと思います。まず、「全く敷居がない」、これは山口さんですね。敷居がないというのは、ほかの街は敷居があるということですかね。
山口:今、こういう世代で集まっていますけど、十代から年配の方までずっと遊べちゃうっていうかね。さっき地図で示したように場所とか行動は違うかもしれないんですけど、どの世代も入り込める。よく渋谷は若すぎるって批判的に言う人もいるんですけど、それだけ若い人でも使いやすくて、敷居が低いっていうことだと思う。新宿や池袋って土曜日の朝歩くと、金曜日の夜の喧噪が残した澱(おり)のような空気が、どよーんって漂ったりするじゃないですか。それが渋谷にはない。多少はあるんでしょうが、濃度は池袋とか新宿に比べると随分薄いなあって思うんです。昔、109の横に「玉久」という渋い居酒屋さんがあったじゃないですか。今はビルに入っていますけど、めちゃめちゃ渋くて、子どもの時からずっと入ってみたかったんです。結局、二十歳過ぎた辺りでぱっと入ったら、普通の居酒屋で自分より10、20上の大人と変わんない対応をしてくれて、それがとても印象的でした。「渋谷ってそういう所だよな」って。その敷居というか、バリアが全然ないところが渋谷の面白いところ。
「渋谷は夜でもカジュアル、単価も安い」
西:ゆまちさんはなかなかマーケティング的なんですけど、「おしゃれな人のたまり場」、それから「さまざまな地域から人が集まる」。先ほどおっしゃっていた「人の観察ができる」、それから「夜の街という感じじゃないないからカジュアルに楽しめる」、「出会いがある」「単価が安い」。
ゆまち:何か、めっちゃ頭いい人の意見みたいになってる(笑)。東京、特に渋谷は、元から住んでる人はほんと少ないと思うんですね。ゆまも愛奈も神奈川県民だし、全国各地から集まってきてる人たちがいるから、そういう面でもいろんな人が見られるなって思う。新宿は夜の街だと思うんですけど、馴染めなくて。もし行ったら、「キャバクラやんないか」ってスカウトの嵐だし。その点、渋谷は夜でもカジュアル。
西:カジュアルでいられる?
ゆまち:清潔感があるっていうか、気軽に遊べる街だなって。あと「出会いがある」。これは別に男性と出会うとかじゃないんですけど、渋谷には集まる場があって、そこで友達ができたりとか。あと単価が、横浜よりぜんぜん安い。
西:安い?
ゆまち:横浜のカラオケは高いです(笑)
西:ちなみに、30分か1時間の単位で、どれぐらい違います?
ゆまち:大体、1時間いると、横浜は400円ぐらい取られるんではないかと。だがだがしかし、渋谷はですね、30分70円とか(笑)。プラス、380円でフリードリンクにするか、250円でワンドリンクにするか選べるんで、すごく単価が安い。電車代を込みでも渋谷に来たほうがいいんじゃないか、っていうぐらい。
西:食べる物はどう?
ゆまち:食べる物も安いと思います。吉野屋とかは変わんないですけど、横浜駅にははなまるうどんはないんでね(笑)
西:やっぱり若い人たちは単価に敏感に反応しているんですね。
「渋谷は東京を象徴するものをいろいろくっ付けたペナント」
西:次に「予期せぬ友人とばったり」「人間交差点的な要素がある」と、それから「情報キャッチの早さ」、「エリアが集約されている」。これは、TAROさんですね、ちょっとご説明を。
DJ TARO:僕、渋谷って、昔よく東京タワーで売っていた外国人のお客さんが買うペナントみたいな感じがするんですよ。東京タワーがあって、富士山があって、浅草のお寺があってみたいな、東京を象徴するものをいろいろくっ付けたペナント。実際はあんな近くに全部のスポットはないんですけど、渋谷へ行くと、あれに近い東京のペナント的な感じがあります。ホテル街があって、高級住宅街があって。さらにど真ん中にのんべい横町があって、そういうすべての要素が入っている。このセルリアンタワーからも見えますけれど、代々木公園や、大きなオリンピックの体育館や、おじいちゃんの代からやっているようなお店とか、そういう老舗のお店だってあるんですよ、しかるべき所に。
西:なるほど。
DJ TARO:そういうすべての要素がそんなに大きいエリアじゃないところで集約されている。それが面白いなあって。