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渋谷在住・在勤者にぜひ読んで欲しい!渋谷の本格観光ガイドブック

「渋谷は分かりにくい、歩きにくい」、そんな印象を持つ人がきっと多いだろう。

こうした歩きにくさの大きな要因は、”スリバチ”と呼ばれる独特な地形にある。渋谷はその地名の通り、渋谷駅が谷底の「底」にあり、その周辺には道玄坂や宮益坂などの坂道が広がっている。銀座や新宿のようなフラットな地形の場所であるならば、遠くのランドマークを目印に歩くことも可能であるが、渋谷は坂や曲がり角の向こうに何があるのか分かりづらく、目印になるランドマークを設定しづらい。結果的に自分の現在地を見失い、渋谷という“迷路”の中を彷徨うことになる。これが「渋谷は分かりにくい、歩きにくい」というイメージの一番の要因ではないだろうか。さらに碁盤の目のように整備された街ではなく、裏道・横道・路地・小路に加え、三叉路も多く、少しでも気を許せば、二度と戻れない迷宮へと誘う…。というと渋谷ビギナーに対し、ますます渋谷の街へのハードルを高めてしまうかもしれない。

ところが、その一方で「渋谷の魅力は何か?」と問われれば、この迷路のような分かりにくさ、歩きにくさに街の面白みがあると断言できる。一度、二度訪れただけで全体を把握出来てしまう街なんて、あまりにも詰まらな過ぎやしませんか。渋谷のまち歩きの一番の面白みは、主要な大通りのみならず、裏道・横道・路地などにひっそりと隠れた個性豊かな路面店を見つけたとき。「へぇー、こんなところに…」と思わぬ出会いこそが、渋谷のまち歩きの醍醐味なのだ。

さて、そんな渋谷のまち歩きを何倍も楽しくしてくれる新刊を1冊紹介したい。渋谷のまち歩きをゾーン別で紹介する観光ガイドブック「渋谷のまち歩きレシピ」(発行=クムラン、発売=星雲社)だ。企画・制作を手掛けたのは、渋谷のガイドツアーを手掛ける一般社団法人「しぶやコンシェルジュの会」。

2010年に発足した同会は、渋谷区在住・在勤のメンバーらを中心に構成。月1回の頻度でメンバーらが“観光ガイド”となり、「まち歩きツアー」を主催している。例えば、過去開催のツアーを見てみると、「路地小路坂道ツアー」「夜の路地裏・花街ツアー」「今、甦る39年東京オリンピックツアー」「シブヤ建築ツアー」など、単なる観光スポット巡りに留まらない、一捻りしたツアー企画を提供。渋谷ビギナーはもちろん、渋谷在住・在勤の渋谷をよく知る人びとが参加しても十分楽しめる内容といえるだろう。
過去開催のツアーの様子。外国人向けのツアーなども行ってきた。

コースづくりについて、同代表の玉井美歌男さんは「スタート地点はなるべく集合しやすいハチ公に設定し、コースの中に歴史や建築、商業施設、いろいろなものが混在させて、いろいろなものが楽しめるものを用意している」という。5年間で実施したツアー数は約60にも上るそうだ。中でも、駅地下にあったトロッコ道の探検ツアー「渋谷の地下の秘密スポット」や、再開発が進む工事現場への潜入ツアー「地下見学 新旧渋谷川の姿を検証」「オーチャードホールバックヤードツアー」など、「日ごろは決して足を踏み入れることが出来ない特別ツアー募集時は、非常に反響が高かった」(玉井)と振り返る。
「渋谷まち歩きレシピ」より

こうした過去5年間、約60回にわたる「まち歩きツアー」を通じて、足を稼いできた情報の蓄積を一冊にまとめたものが、今回の「渋谷のまち歩きレシピ」となる。いわば、5年間の集大成。同書では渋谷駅を発着地点に原宿や代官山など、まち歩きが可能な半径約1km以内を範囲とし、「渋谷駅・ハチ公広場 スクランブル交差点」「宮益坂 ヒカリエ界隈」「キャットストリート 明治通り界隈」「原宿 表参道界隈」「公園通り・神宮通り界隈」「センター街 井の頭通り界隈」「文化村通り・松濤界隈」「道玄坂・百軒店界隈」「三業通り・円山町界隈」「桜丘・西郷馬車道 代官山界隈」「金王八幡宮 白根記念館界隈」の全11ゾーンに区分して「まち歩きルート」を詳しく紹介。沿道と界隈をゾーン分けすることで、迷路のように分かりにくい渋谷の街の特徴がはっきり鮮明に浮き上がる。町名などの行政区画に左右されない各ゾーンの歴史や建築、商業施設、見どころを俯瞰でき、性格の異なる11ゾーンの魅力がより顕在化する。各ルートはマップ上に矢印が表記され、渋谷に不案内のビギナーでも所用時間2時間くらいで巡れるコース設計も親切である。
「渋谷まち歩きレシピ」より

「歩きにくいと言われる『渋谷のまち』を、なんとか歩きやすくしたいという点に一番力を注いだ。このガイドブックの中で紹介しているサンプルのルートをだいたい理解できたら、今度は自分が面白そうだなと感じる横道や裏道へ入ってみてほしい。今までピンポイントでしか知らなかった、その界隈の行動範囲がきっと広がるはず」(玉井さん)

「しぶやコンシェルジュの会」代表・玉井美歌男さん

2020年の東京オリンピックに向け、東京や渋谷には国内外から観光客の大幅な増加が見込まれている。こうした中で、観光客を「おもてなし」する立場にある私たち渋谷在住・在勤者の準備は万全だろうか? もし、街中で「渋谷の観光スポットを教えて?」と聞かれたら、果たして答えられるだろうか。「ハチ公、スクランブル…」など、そんな答えは観光客も望んでいないだろう。同書は渋谷ビギナー向けである反面、実は渋谷在住・在勤者に向けた渋谷観光の教材としても良書である。「分かりにくい、歩きづらい」渋谷のまち歩きのバイブルとしてご活用を!

併せて2月11日(木・祝)、同書の出版を記念して「日々変わる渋谷駅・ヒカリエ・大山街道筋を辿るツアー」が開催される(参加費1,000円、ツアー後の交流会参加費2,500円)。参加を希望する人は2月10日(水)までに「しぶやコンシェルジュの会」ホームページから申し込みが必要。

観光ガイドブック「渋谷まち歩きレシピ」
〇著作:一般社団法人しぶやコンシェルジュの会
〇出版:クムラン
〇販売:星雲社
〇定価:1,200円(税別)
〇サイズ:21cm/127p

<出版記念ツアー募集>
日々変わる渋谷駅・ヒカリエ・大山街道筋を辿る

〇開催:2016年2月11日(木)13:30〜
〇集合:渋谷駅・ハチ公広場 ※雨天決行
〇会費:参加費1,000円/交流会参加費2,500円
※当日徴収
〇申込:こちらからお申し込みください
※申込期限は2016年 2月 10日(水)21:00まで

編集部・フジイタカシ

渋谷の記録係。渋谷のカルチャー情報のほか、旬のニュースや話題、日々感じる事を書き綴っていきます。

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