渋谷文化プロジェクト

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最近の渋谷における
ベンチャー支援のトレンドについて

最近、「優れたアイデアを持つ人のビジネスを応援しよう」という大きな流れがあるのを感じます。

例えば道玄坂に新しくできた「森の図書館」。 「渋谷に夜の図書館をつくる」ための投資者をクラウドファンディングで募ったところ、パトロン(投資をしてくれる人)数が約1,700人で日本新記録を樹立。 なんと集まった資金は、目標金額100万円に対して約10倍の950万円を達成し、話題になりました。
※クラウドファンディングとは、インターネットを通してクリエイターや起業家が不特定多数の人から資金を募ること。

今まで起業しようとすると、知り合いに保証人になってもらったり、銀行に日参したり、 何かあったら夜逃げ!のような、後には戻れない道を行くようなイメージがありました。

インターネットが普及してきて、個人は昔のように「清水の舞台から飛び降り」なくても、 新しいビジネスがスタートできるようになってきています。

特に渋谷ではその動きが活発です。
我々渋谷文化プロジェクトで調査したところ、渋谷区は「ITベンチャーに選ばれる街」としてダントツで1位でした。
http://www.shibuyabunka.com/data/20140604/

ベンチャー企業が集積していることから、人とのアクティブな繋がりが生まれやすいこと、 そしてそれがさらに次のベンチャーを目指す人々の集積を産むという循環が、渋谷には出来ています。

加えて、そういったベンチャー企業を大企業が支援する動きが出てきています。 例えば、サイバーエージェントの藤田社長をはじめとして、GMO、DeNAのような、 かつて起業家だった方たちがベンチャーへの投資などを通じて、次の世代を育てようとしています。 もちろん新しいビジネスの種を探したり、投資先として大きく育ててから回収しようを考えているとしても、 ベンチャー企業にとってはありがたい支援だろうと思われます。

■KDDI∞Labo
そんな中、KDDIが投資ではなく、新しいカタチの起業家支援プログラムを行っていると聞きました。

サービス・アイデアを持つチームをKDDIが3か月間徹底的にサポート。なんとKDDIの社員が、開発の技術支援や、社員を使ってのモニタリング、営業同行まで一緒に行うそう。
・・なんて太っ腹なんでしょう。

さて、その総集編ともいうべき、6期生のプレゼンテーションが観られるというので、 渋谷ヒカリエで行われたKDDI∞Labo 6thDemoDayに行ってきました。

会場に入り、ざっと見回すと400人ぐらいが集まり、満席状態。 ちなみに参加者は男性が9割程度と圧倒的に多く、女子トイレはガラガラで男子トイレには行列、というヒカリエでは珍しい光景を目にしました。

第一部 各チームによるプレゼンテーションと表彰式
全5チームが、この3か月間ブラッシュアップしてきたサービスについて順番にプレゼンテーションを行います。 プレゼンまでを徹底的にKDDIがフォローしてきているということもあり、どのチームのプレゼンもレベルが高い! 各チームとも分野はバラバラで、幅広い分野に分散しています。

まずは一般参加者が投票できる、オーディエンス賞。 私は、我が子の動画記録で“成長シネマ”を作るという「filme(フィルミー)」に一票。 サービスそのものも良かったですが、子供だけでなくシニアや旅行などにも展開し 思い出マーケットに訴えるとしたマーケットの広さにも好感を抱きました。 頭の中ではニッサンの「物より思い出」CMが頭の中を流れます(古いですかね?)
見事、オーディエンス賞に「filme」が選ばれ、なぜか私が「やったー!」と叫んでしましました。 いつの間にか思い入れが強くなっていたようです。

そして、最優秀チームは低コストかつ高品質なコンテンツ配信を実現するという「MistCDN」が選出されました。

第2部 今後の展開(他の企業を巻き込んだベンチャー支援)についての説明
次回の第7期生からは、新しいフェーズに入るそうで、その説明でした。 コクヨやテレビ朝日、三井物産など、この支援に賛同した大企業が、彼らの持っている人材、販路、技術などのリソースを提供して、 ベンチャー企業の支援をしてくれるそう。

個人的に、大企業は投資に対してのリターンをはっきりさせるもの、というイメージがありました。 なので率直にいうと、今回のように直接的なリターンを期待できないサービスに企業が協力することに驚きました。

起業家は、大企業との取引がないとなかなか次の成長フェーズへ進めない。だからこそ大企業とのマッチングが大事なポイントとなる。 でも大企業にとっても、起業家たちを応援したい気持ちはあるが、実績のない小さな会社に対しては二の足を踏む気持ちも理解できます。
そこをうまく繋げているのが、このKDDI∞Laboだと思います。
大企業は自社のリソースを提供することで、若いビジネスアイデアが開花することに立ち会うことができます。 さらに大企業によっては、自社内で新しい事業のノウハウやアイデアのヒントが生まれていくといったような、お金には換算できない価値を見出しているようにも思われました。

今回の起業家と大企業とのコラボによって、ベンチャーマーケットが活性化し、 さらにこれからたくさんの新しいビジネスが渋谷から生まれてくる。そんなトリガーになりうるプログラムだと感じました。

現在、第7期生を募集しているそうです(申込締切8/15まで)。 アイデア・サービスに自信のあるベンチャーの方は、ぜひ応募してみてはいかがでしょうか。

エントリー募集ページはこちら→ http://www.kddi.com/ventures/mugenlabo/entry/

sachi

アラフォー。渋谷区内に勤務の2児の母。 趣味は写真を観たり、撮ったりすること。

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