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音楽ファンも必見の映画『ハッピーフライト』

現在、渋東シネタワーで公開中の映画『ハッピーフライト』。『スウィングガールズ』の大ヒットでお馴染み、矢口史靖監督の最新作です(写真1)。これはプレス関係者向けに配られたパンフレットですが、相当に凝った作りです。このテの資料のクオリティは、映画作品そのもの出来を計る判断材料になります。つまり、資料作成にきちんと手間ひまかける=作品の質に自信がある、との図式です。

その図式通り、『ハッピーフライト』はとても良質の娯楽映画に仕上がっています。テレビ番組の延長で作られた作品や、アニメ、コミック原作ばかりが幅を効かせる邦画界で、本当に貴重な秀作です。
矢口監督は90年代に、自主映画界のホープとして颯爽と登場した人物。同世代の僕は、その才能に羨望の眼差しを送っていたものです。それから十数年、今や氏は押しも押されぬメジャー監督となりました。

資料をもう少々紹介(写真2)。本編もこんな具合に楽しさに満ちた作品です。
映画そのものの出来もさることながら、音楽ファンとして見逃せないのがサウンドトラック。天才・ミッキー吉野が土方隆行(g)、鳴瀬嘉博(b)らを率いて質の高い音楽をクリエイトしています。
ちなみに、主題歌はあのフランク・シナトラ。この辺りのセンス、矢口監督はホント心得てます。アイドル歌手の安易なタイアップ主題歌がラストとかかったりすると、いくら映画作品そのものが良くてもガッカリしますから。
良質な娯楽監督、矢口史靖と『ハッピーフライト』を皆で応援しましょう。

高橋慎一(フォトグラファー)

98年よりフリーランス・フォトグラファーとして独立。現在、雑誌・書籍・CDジャケットなどで活躍中。また、ライターとして音楽関係、海外紀行、ドキュメント記事等を雑誌や書籍で精力的に執筆。

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