新たな再開発エリアの注目は「道玄坂」 新大宗ビル建て替えへ
渋谷ヒカリエ、渋谷スクランブルスクエア、渋谷ストリーム、MIYASHITA PARKなど、ここ数年で渋谷駅周辺の風景は大きく変貌を遂げた。その駅周辺の開業ラッシュも2020年でひと段落し、2023年の「渋谷駅桜丘口地区のまちびらき」までしばらく大きな動きはない。
さて駅周辺に続き、新たな再開発の動きが出始めているは「道玄坂」だ。江戸から大山をつなぐ「大山街道」の一部である道玄坂は、江戸時代から人の往来が多く、繁華街として栄えてきた歴史を持つ。戦後も百軒店や恋文横丁などを中心に賑わい、今日の渋谷のまちの発展の原点がここから始まったと言っても過言ではない。路面には飲食チェ―ンやアパレルなどが軒を連ね、その賑わいは今も変わらないが、テナントが入居する各ビルはだいぶ老朽化が進んでいる。
道玄坂一丁目地区では先行し2019年、国道246号沿いに接する道玄坂上にオフィスビル「渋谷ソラスタ」(高さ106.90m、21階建て)が開業した。新南平台東急ビル(1974年)、南平台東急ビル(1958年)、渋谷TODビル(1989年)、広井ビル(1974年)4棟が最先端テクノロジーを駆使したオフィスビル1棟に生まれ変わり、新たな人の流れを道玄坂上まで導いている。
さらに文化村通り沿いの道玄坂二丁目地区では、ドン・キホーテなどを運営するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)が、ホテルやオフィス、商業施設から成る複合施設を計画し、現在開発工事が進行中だ。
116メートル、地上28階建ての複合施設(1〜3階=商業店舗、4〜10階=オフィス、11〜28階=ホテル)が新たに生まれる。新型コロナ感染拡大などで計画がどう影響するかは定かではないが、開業は2023年春頃を予定する。
渋谷区道玄坂二丁目開発計画(仮称)
○所在地 :渋谷区道玄坂二丁目1番6号
○建物高さ:116メートル(地上28階建、地下1階)
○主要用途:店舗、事務所、ホテル、駐車場、駐輪場
○敷地面積:5737.48平方メートル
○延床面積:40,950平方メートル
○事業主 :株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(旧 ドンキホーテホールディングス)、有限会社道玄坂カブトビル、株式会社サン・エトワール
同じく道玄坂二丁目では、「道玄坂二丁目南地区」(下図の黄色マーカー部)の再開発プロジェクトも動き始めている。
「災害対策」はもちろん、ゴチャゴチャした歩道や道路の整備による「歩行者ネットワーク」の形成や、緑化などの街の景観づくり、沿道の賑わいづくりなど…、再開発に伴い、このエリアが抱える課題を一気に解決しようという狙いだ。
「コ」の字型の同エリアの広さは約0.8ヘクタール。おおよそサッカーコート1面に相当する大きさである。
現在検討されている計画概要によれば、高さ150メートル、地上31階建ての高層ビル、高さ60メートルの中層ビルの2棟と、その2つの棟をつなぐ低層部で構成。高層ビルはオフィス・店舗等、中層ビルにはホテル・店舗等、中央の低層部は道玄坂一丁目と二丁目をつなぐ「歩行者通路」として地区内外の回遊性向上を図る役割を担うほか、人が溜まり・集う「中心広場」として整備されるという。
隣接する「渋谷マークシティ」は低層部と接続し、駅や渋谷マークシティから道玄坂中腹へ容易にアクセスできる結節点となる。今年度末までに都市計画決定を経て、その後、組合が設立され、既存ビルの解体、着工へと続く。竣工は2026年度を予定する。2027年には渋谷スクランブルスクエア西棟・中央棟の竣工など、100年に一度と言われる渋谷駅の再開発プロジェクトが全て完了するため、そのタイミングに「道玄坂二丁目南地区」も間に合わせる計画なのだろう。
また、道玄坂二丁目南地区の向かい側には、渋谷のランドマーク「SHIBUYA109」(1979年、築42年)、その隣にはユニクロが出店する「THE PRIME」(1968年、築52年)、サンマルクカフェがある「道玄坂センタービル」(1977年、築44年)など、築40年を超える建物が複数立地している。
近い将来、109を中心としたこの一角も再開発プロジェクトの対象区域となることだろう。
渋谷の再開発は駅のみならず、今後、道玄坂を中心にしばらく続きそうだ。
Editorial department · Fuji Itakashi
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