シアターコクーン過去名作の上映会 串田和美、蜷川幸雄、松尾スズキ全6作品
串田和美さん、蜷川幸雄さん、松尾スズキさんが手掛けたシアターコクーンの人気舞台の映像を集めた上映会「COCOON Movie!! 芸術監督名作選」が10月6日〜11日まで、Bunkamuraシアターコクーンで開催される。
串田和美さん、故・蜷川幸雄さんの2人は演劇界を代表する演出家で、歴代の渋谷・シアターコクーンの芸術監督を務めたことでも知られる。シアターコクーンが開館した1989年、初代芸術監督に就任したのは串田さん。ギリシャ悲劇からアングラ、現代劇と多彩な作品をつくり、1996年まで務めた。3年間の空席後、1999年から蜷川さんが2代目を務め、2016年に亡くなるまでコクーンの黄金期を築き上げた。
その偉大な二人の後を継ぎ、今年から3代目の芸術監督に就任したのは松尾スズキさん。1988年に大人計画を旗揚げし、主宰として作・演出・出演をつとめながら、阿部サダヲさんや宮藤官九郎さんら多くの人材を育てあげている。1997年『ファンキー!〜宇宙は見える所までしかない〜』で岸田國士戯曲賞受賞。2019年には自ら企画プロデュースする「東京成人演劇部」を立ち上げ、『命、ギガ長ス』という二人芝居で、第71回読売文学賞戯曲・シナリオ賞を受賞するなど、名実ともに日本を代表する演劇人として認められる。
記念すべき3代目の就任の年であるが、不運にも新型コロナによる感染拡大により、シアターコクーンをはじめ、日本全国の舞台が軒並み中止に見舞われるという事態が起きている。非常に厳しい環境下に置かれた船出の中で、就任したばかりの松尾さんが今回手掛けるのは、シアターコクーンで過去に公演した人気作の蔵出し上映会。実際に公演が行われたコクーンの舞台上に巨大スクリーンを設置し、まるで観劇するかのように舞台映像を楽しめるという趣向だ。
今回セレクトされた作品は、市川染五郎、大竹しのぶさん出演『女教師は二度抱かれた』(2008年)、多部未華子さん出演『キレイー神様と待ち合わせした女―』(2014年)、阿部サダヲ出演『ゴーゴーボーイズゴーゴーヘブン』(2016年)の松尾スズキさんが作・演出を手掛けた3作品。さらに蜷川幸雄さん演出、宮沢りえさん出演の『下谷万年町物語』(2012年)、串田和美さん作・演出、松たか子さん出演の『もっと泣いてよフラッパー』(2014年)を加え、音楽にあふれた賑やかな5作品がそろう。そのほか、安藤玉恵さん、松尾スズキさんの二人芝居『命、ギガ長ス』(2019年)とその創作過程を追ったドキュメンタリーも特別セットで上映される。
初日となる10月6日には、新芸術監督である松尾スズキさんのほか、各上映作品に出演する大竹しのぶさん、宮沢りえさん、小池徹平さんが登壇。アナウンサーの中井美穂さんが進行役となり、出演者本人によるトークとともに本編上映が行われる。
オンライン先行販売は8月20日(木)から専用サイトで。
COCOON Movie!! 芸術監督名作選
○会期:2020年10月6日(火)〜11(日)
○会場:Bunkamuraシアターコクーン
○ fee:
通常回3000円/特別上映「命、ギガ長ス」2500円
初日舞台挨拶付き『女教師は二度抱かれた』(10/6 10:20〜)3500円
○ official:https://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/20_cocoonmovie/
※オンライン先行8/20(木)〜、一般8/23(日)〜
○主催:Bunkamura